21世紀の到達は6人のみ&イチローに続くのは誰? MLB3000安打の高い壁

マーリンズ・イチロー外野手がMLB通算3000本安打を打ったのは昨年8月7日、史上30人目の偉業だった。イチローはその後も安打を積み重ね、現時点では3031安打。歴代25位に位置している。現役ではもちろん1位の数字だが、今季、そのイチローに続いて3000本を打ちそうな打者がいる。

レンジャーズのエイドリアン・ベルトレ【写真:Getty Images】

イチローに続くのは誰? メジャー3000安打の高い壁

 マーリンズ・イチロー外野手がMLB通算3000本安打を打ったのは昨年8月7日、史上30人目の偉業だった。

 1871年にMLBの原型であるナショナル・アソシエーションが発足してから146年になるが、3000本を打った打者はわずかに30人しかいない。イチローの偉大さを改めて思い知る。

 イチローはその後も安打を積み重ね、現時点では3031安打。歴代25位に位置している。現役ではもちろん1位の数字だが、今季、そのイチローに続いて3000本を打ちそうな打者がいる。以下が現役の通算安打数10傑だ。

打者(所属)/年数/年齢/安打数
1.イチロー(マーリンズ)17年、43歳、3031安打
2.エイドリアン・ベルトレ(レンジャーズ)20年、38歳、2942安打
3.アルバート・プホルス(エンゼルス)17年、37歳、2833安打
4.カルロス・ベルトラン(アストロズ)20年、39歳、2629安打
5.ミゲル・カブレラ(タイガース)15年、33歳、2523安打
6.ロビンソン・カノ(マリナーズ)13年、34歳、2220安打
7.マット・ホリデイ(ヤンキース)14年、37歳、2003安打
8.ホセ・レイエス(メッツ)15年、33歳、1975安打
9.エイドリアン・ゴンザレス(ドジャース)14年、34歳、1962安打
10.ビクター・マルチネス(タイガース)15年、38歳、1942安打
※日本時間4月14日時点の数字。

今季中に達成の可能性が高いプホルス

 マリナーズ時代イチローの同僚だったエイドリアン・ベルトレは本塁打王、最多安打各1回、好守好打の三塁手として殿堂入りが確実視されている。今はレンジャーズでダルビッシュ有投手の同僚で、今季中の大台突破が期待されたが、DL入りでまだ出場していない。

 アルバート・プホルスはイチローとMLBデビューが同じ2001年、アのイチローとともにナ・リーグで新人王を獲得し、比較されることも多かった。首位打者、打点王各1回、本塁打王2回。彼も殿堂入りが確実視されている。今はエンゼルスに在籍。あと167本で3000本安打に到達する。昨年は159本だったから、今季終盤に3000本に達成する可能性がある。

 イチローは21世紀にデビューした選手では最初に3000本安打に到達したが、プホルスが達成すれば2人目になる。

 カルロス・ベルトランはロイヤルズ、メッツなどで活躍したスラッガーで、421本塁打の強打者だが312盗塁と俊足だった。WBCではプエルトリコの主軸を打った。しかし40歳。あと3000本まで371安打は厳しいところではある。

 ミゲル・カブレラは2012年、MLBでは45年ぶりの3冠王に輝いた大打者。WBCべネスエラ代表としても活躍。間もなく34歳を迎えるが、打撃は衰えていない。ベルトランを抜いて3000本に達する可能性は高いだろう。

21世紀で到達した打者は…

 ロビンソン・カノは、ヤンキースからマリナーズに10年契約2億4000万ドルの超大型契約で移籍した二塁手。ヤンキース時代は6年連続で3割をマークしていたが、移籍後は.287、.298とやや期待外れ。契約満了までレギュラーで働けば3000本はクリアするだろうが、どこまで頑張れるか。

 21世以降、3000本安打を達成したのは以下の通り。

2001年10月7日 リッキー・ヘンダーソン(パドレス)
2005年7月15日 ラファエル・パルメイロ(オリオールズ)
2007年6月28日 クレイグ・ビジオ(アストロズ)
2011年7月9日 デレク・ジーター(ヤンキース)
2015年6月19日 アレックス・ロドリゲス(ヤンキース)
2016年8月7日 イチロー(マーリンズ)

 16年で6人だ。それほど3000本の壁は高い。ベーブ・ルースも、ルー・ゲーリッグも、ジョー・ディマジオも、テッド・ウィリアムスも3000本に達せず引退している。この偉大な記録でイチローに続くのは、どの打者だろうか。

広尾晃●文 text by Koh Hiroo

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