決断は英断となるか― DeNAラミ監督、勝利へ執念の配置転換

DeNAのアレックス・ラミレス監督は16日のヤクルト戦に6-3での勝利後、これまで入団以来、主に抑えとして起用していた山崎康を7回に回し、9回は新外国人のパットンに任せる方針を、試合後のテレビインタビューで明言した。

DeNAのアレックス・ラミレス監督【写真:荒川祐史】

山崎康を配置転換、守護神パットンに―新たな“勝利の方程式”

 DeNAのアレックス・ラミレス監督は16日のヤクルト戦に6-3での勝利後、これまで入団以来、主に抑えとして起用していた山崎康を7回に回し、9回は新外国人のパットンに任せる方針を、試合後のテレビインタビューで明言した。

「山崎康は非常によくやってくれた。スピードもあり、3者凡退で抑えた。今までと違う使い方で、このままリフレッシュしていい投球を続けてくれたらと思います。山崎をあのような使い方で、パットンを抑えで使っていこうかと思います」

 ラミレス監督はこの日、2点リードの7回に山崎康を送り出すと、右腕は2奪三振など1回を完全投球の無失点に。そして8回は三上、9回にはここまで7試合無失点のパットンが先頭のバレンティンに安打を許しながらも後続をきっちりと断って、初セーブを挙げた。

 これまでラミレス監督は勝ち継投として、7回をパットン、8回を三上、9回を山崎康という形を“基本布陣”にしていたが、山崎康は直近の2試合で救援に失敗していたこともあり、決断したようだ。

昨年は最終的にクローザーを任されたが…

 山崎康は昨季、7、8月に調子を崩し、4試合連続で失点(計10点)。首脳陣から登板回避の“休養日”を与えられたこともあった。戦列復帰後も完全復調とはいかず、8月はビハインドの展開や8回に投げる場面も。最終的にはクローザーを任されたが、結局、シーズン終了まで完全復調はならなかった。

 ラミレス監督はこの“前例”を踏まえた上で、早期決断に至ったようだ。勝ち負けに直結する9回ではなく、7回を任せることで重圧を軽減させ、この日のような力強いボールを投げる山崎康の姿を望んでいる。新守護神に指名されたパットンは昨季まで米大リーグのマイナーリーグで守護神を務めていた経験もあり、心配要素はない。

 山崎康は今季は開幕から無失点投球を続け、直近2試合でやられただけだ。それでも2年目を迎えたラミレス監督は、昨年の二の舞を避けるかのようにすぐに別の輝ける場所を提供し、新たな方程式を確立しようとしている。抑えとして抜群の人気を誇る山崎康の配置転換は大きな決断だったはずだ。

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