JFEエンジ、シンガポールでガス化溶融炉受注 東南アジア初のシャフト式

JFEエンジニアリング(社長・大下元氏)は14日、シンガポールでシャフト式ガス化溶融炉の建設工事を受注したと発表した。シンガポール南洋理工大学から受注したもので受注額は非公表。両者は昨年7月に「ガス化溶融炉を用いた共同研究契約」を締結しておりプラントの建設後に実証試験を進める。シャフト式の採用は東南アジアでは初。

シャフト式ガス化溶融炉の完成イメージ図

 受注した溶融炉は日当たり処理能力11・5トン、発電量30キロワットで17年8月に着工、18年末に竣工予定。発生するスラグ量は1日当たり1~1・7トン、メタルは0・3トン。実証試験では石炭コークスの代替としてのバイオマス燃料の利用や一般廃棄物と焼却灰などの混焼、灰溶融により生じる副産物のスラグの再資源化などを検討する。

 同国では最終処分場の容量が2045年に上限に達するとされている。現在、4つの廃棄物焼却施設が稼働しており1日当たり7740トンを処理しているが処理能力が不足している。そのため、IWMF(大型複合廃棄物処理施設)の建設計画があり、1日あたり5800トンと同国で生じる一般廃棄物の半分を処理する施設を建設するという。

 今回の施設はシンガポールでは初のガス化溶融炉。同社のガス化溶融炉はスラグ連続出滓が特長でこれまでの受注実績は13件、海外では本件がイタリアに続く2件目となる。同社の東南アジアでの廃棄物処理施設の受注実績はタイ1件、ミャンマー1件、マレーシア2件。15年度における廃棄物分野の受注実績は国内外で1300億円で、17年度は1800億円の受注を目指していく方針。

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