使用済み触媒などからの貴金属・レアメタル16年回収量、17%減

触媒資源化協会がまとめた16年(1~12月)の触媒資源化実績報告書によると、使用済触媒や電子材料、歯科合金などからの貴金属・レアメタル回収量は前年比17・7%減の1万1029トンとなった。銀の回収量が大幅に増加したため、貴金属の回収量は同比10%増となったが、他のレアメタル類が同比18%減となった。一方、金額ベースでは約10%の円高影響があったものの、金額ベースで全体の95%を占める貴金属の回収量が増加したことから同比5%減の4191億2338万円と減少幅は前年比で小幅にとどまった。

 貴金属の回収量のうち、金は同比7%増、銀は同比10・6%増となった。金は触媒からの回収量が減少したが、プリント基板や宝飾など触媒以外からの回収量が増加。銀はホルマリン製造に用いられる触媒からの回収量が大幅に増加し、電子材料や宝飾など触媒以外からの回収量も前年を上回ったことから全体では大幅な増加となった。このほか、貴金属では白金、ルテニウムなどの回収量が増加したが、パラジウムは同比微減となった。

 金額ベースでは、円高影響があったため、金が同比4・5%、銀が同比8・8%の増加にとどまった。一方、プラチナ、パラジウムは為替影響も含めた国内価格の下落などから同比2ケタの減少となった。

 触媒と触媒以外の資源化比率(金額ベース)では、金は触媒以外からが同比5・7%増の約2446億円、触媒からが同比82・1%減の約6億円、銀は触媒以外からが同比0・1%増の約370億円、触媒からが同比4・8倍の約37億円だった。

 貴金属以外の回収量では、コバルト、バナジウム、鉛などが増加したが、ニッケル、アルミナ、錫、チタン、タンタルなどが減少。金額ベースではニッケル、インジウム、タンタルの減少が大きかった。

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