田中将大は本拠地8連勝 開幕4戦目の好投にNY紙「昨季に急速に近づいてる」

ヤンキースの田中将大投手は19日(日本時間20日)、本拠地でのホワイトソックス戦に先発し、7回6安打1失点6奪三振2四球と好投した。開幕4戦目でついにエースとしての役割を果たした右腕に辛口のニューヨークメディアも一定の評価を与えている。

ヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】

本拠地8連勝はサバシアに次ぐ球団史上2位の長さ、NYメディアは一定の評価

 ヤンキースの田中将大投手は19日(日本時間20日)、本拠地でのホワイトソックス戦に先発し、7回6安打1失点6奪三振2四球と好投した。今季初の中4日のマウンドで結果を残し、2勝目(1敗)をマーク。ヤンキースは前日に連勝が「8」で止まっていたが、連敗することなく9-1で大勝した。昨季から続く本拠地ヤンキースタジアムでの連勝記録は「8」となり、CC・サバシア(16連勝)に次ぐ球団史上単独2番目の長さに。開幕4戦目でついにエースとしての役割を果たした右腕に辛口のニューヨークメディアも一定の評価を与えている。

 味方打線が着々と得点を重ねる中、田中はホワイトソックス打線を冷静に抑え込んでいった。2回無死一、二塁のピンチで内野陣の好守で併殺に仕留め、ピンチを切り抜けると、投球はさらに安定。4回に2本の二塁打で1点を返されるも、焦ることなく後続を断った。

 田中の投球に変化が見えたのは7回。先頭サンチェスに二塁打を浴び、ナルバエスは一ゴロで1死三塁とされる。8-1と7点リードで、1点を失っても試合の勝敗には大きな影響がない場面。しかし、田中のギアが明らかに上がった。ガルシア、サラディーノは連続空振り三振に仕留めて、この回無失点で降板。最後にあらためて力を見せつけ、この回限りでマウンドを降りた。

 開幕から3試合の先発登板でピリッとせず、この試合を終えても防御率は6.00。まだ、昨季リーグ3位の防御率3.07を記録した右腕とは思えない数字だが、ニューヨークの地元紙「ニューズデイ」は「マサヒロ・タナカはア・リーグ最優秀防御率を争っていた昨シーズンと未だ似つかないが、急速に近づいている」とレポート。確実に状態が上がってきているとした。

【次ページ】NYメディアは打線を評価、田中にはさらなる復調を期待?

 この日は計4本塁打が飛び出し、打線が田中を力強く援護。ニューヨークの地元紙も打線を称える記事が多く、「ニューヨーク・ポスト」は「ヤンキースは4本塁打でタナカを援護」との見出しで伝え、「ニューヨーク・タイムズ」は「完敗後の夜、ヤンキースはパワーを取り戻す」とのタイトルで報じた。

 そんな中、「ヤンキースはタナカを助けてホワイトソックスに勝利」との見出しで報じたのは、ニュージャージー州最大のニュースサイト「NJ.com」。記事では「先発投手のタナカは彼のベストの投球ではなかったもののホワイトソックスを7回1失点のみに抑え、大量の援護を得た。試合の勝利が4先発のタナカを2勝1敗に持ち直させ、ヤンキースを10勝5敗へと後押しした」と、こちらも打線が田中を助けたと強調。さらに、「タナカは平凡なシーズンを塗り替える思いで夜を迎え、ホワイトソックスに助けられた。シカゴは4つの二塁打を含む6安打を放ったが、28歳右腕はピンチに立つことなく、常に優位に立った」と伝えている。

 過去3戦の不安定な投球とは明らかな違いがあったとはいえ、昨年の田中の投球を見てきたNYメディアには、まだまだ物足りない内容と写ったようだ。田中自身も試合後には自身のツイッターで「援護と好守に助けられ、何とか踏ん張る投球が出来たと思います。試合序盤は上半身と下半身のタイミングが合わず苦労しましたが、徐々に掴み、立て直す事が出来ました!」と綴っている。

 昨年6月24日のツインズ戦から続く本拠地ヤンキースタジアムでの連勝記録は、球団史上単独2位の「8」となった。そして、エースの状態は、もっともっと上がっていく。ヤンキースにとっても、頼もしい限りだ。

© 株式会社Creative2