松井稼頭央が球史に名を残す大選手に 史上8人目の2000安打&200HR&200盗塁

楽天のベテラン松井稼頭央が200本塁打を達成した。NPB史上でちょうど100人目。大記録とまでは言えないが、創設以来6500人以上プレーした選手がいる中で1.5%という貴重な記録だ。

楽天・松井稼頭央【写真:荒川祐史】

楽天・松井稼が史上8人目の2000安打&200本塁打&200盗塁達成

 楽天のベテラン松井稼頭央が200本塁打を達成した。NPB史上でちょうど100人目。大記録とまでは言えないが、創設以来6500人以上プレーした選手がいる中で1.5%という貴重な記録だ。

 松井は23シーズン目だが、MLBで7年間プレーしていた。実働16年での達成だ。2002年に36本、2003年に33本を打ったことがあるが、MLBから復帰した2011年以降は、2013年の11本塁打が最高。40歳を過ぎて長打力が衰えた中での大台突破だった。またスイッチヒッターとしては松永浩美に続き2人目だ。

 松井は2071安打、362盗塁を記録している。2000本安打、200本塁打、200盗塁を同時に達成したのは、NPB史上8人目だ。

張本勲(3085安打/504本塁打/319盗塁)
高木守道(2274安打/236本塁打/369盗塁)
衣笠祥雄(2543安打/504本塁打/266盗塁)
山本浩二(2339安打/536本塁打/231盗塁)
有藤道世(2057安打/348本塁打/282盗塁)
福本豊(2543安打/208本塁打/1065盗塁)
秋山幸二(2157安打/437本塁打/303盗塁)
松井稼頭央(2071安打/200本塁打/362盗塁)

 2000本安打は47人、200本塁打は100人、200盗塁は72人が達成しているが、3つとも達成するのは至難の業だ。長打力と俊足を共に持つ上に、持久力もなければならない。

ベテランにとっては盗塁が最大の難関

 2351安打、220盗塁の川上哲治は、ボールが飛ばない戦前からプレーしているため181本塁打で終わった。2471安打、444本塁打の長嶋茂雄は新人の1958年に37盗塁しているが、190盗塁で終わった。2530安打、476本塁打の金本知憲も2000年には30盗塁しているが、167盗塁で終わっている。

 若いころは、俊足で鳴らした強打者も、35歳を過ぎればめっきり走らなくなることが多い。ベテラン選手にとっては盗塁が最大の難関になる。

 3割、30本、30盗塁をトリプル3と言うが、2000本安打、200本塁打、200盗塁は、それに近い成績を生涯にわたって続けたということができる。

 現役では、新井貴浩が2125安打、309本塁打しているが42盗塁、荒木雅博が1973安打、374盗塁しているが33本塁打、3つの大台をともにクリアしそうな選手は、当面見当たらない。

 8人のうち、有藤道世と現役の松井稼頭央を除いて野球殿堂入りしている。松井も球史に名を残す大選手になったということだ。

広尾晃●文 text by Koh Hiroo

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