古河テクノマテリアル、コバルトクロム管量産化 医療ステント向けに拡販

古河電工グループの形状記憶合金・防災製品メーカーである古河テクノマテリアル(本社・神奈川県平塚市、社長・戸崎敏夫氏)はこのほど、コバルトクロム合金管の量産を開始した。血管を内部から拡張する医療器具であるステントの材料として販売している。量産に先立って専用の伸線機や加熱炉を導入した。

コバルトクロム合金管

 同社ではステント向けに高純度で信頼性の高いニッケルチタン系の合金管をすでに供給している。ステント用の管は体内の使用部位によって求められる特性が異なり、剛性が必要な冠動脈などに用いるステント用として新たにコバルトクロム合金の管を開発。海外のステントメーカーから受注を獲得して量産を開始した。

 コバルトクロム合金管の開発は付加価値が高い医療関連材料のラインアップを拡充して、収益力を強化することが狙い。同社はコバルトクロム系の合金管では後発となるが、ニッケルチタン合金管で培った実績を基にして国内外で早期に浸透させたい考えだ。

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