英リバティ・ハウスが米進出、A・ミッタルから電炉・線材ミル買収

英国の金属商社、リバティ・ハウスは21日、アルセロール・ミッタル(AM)から米国の電炉・線材工場を買収することで合意したと発表した。リバティはタタ製鉄から英国事業を買収し急速に製鉄部門を拡大しているが、さらに米国にも進出する。

 買い取るのはAMが2015年8月に休止していたジョージタウン工場(サウスカロライナ州)。同工場は年産能力60万トンの電炉と75万トンの線材ミルがある。リバティは買収を機に同工場を再稼働させる考え。

 リバティのサンジーブ・グプタ会長は声明で「これは米国における重要な第一歩だ」とし、再稼働に向けて全米鉄鋼労組(USW)から好感触を得ているとしている。

 リバティは昨年2月に英国のシェアーネスで電炉や連鋳、棒線ミルを導入し、タタ・スチールUKからは厚板や特殊鋼事業を買収した。豪州で経営破たんした条鋼メーカーのアリウムでも有力なスポンサー候補として名が挙がっている。

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