阪和興業、サイアム・スチール関連会社「SBP」と木質燃料供給で業務提携

阪和興業は25日、日本や韓国の火力発電所向けにバイオマス(生物由来資源)燃料を長期供給する業務提携の覚え書きを、タイのサイアム・スチールの関連会社サイアム・バイオマス・プロダクト(SBP)との間で締結したと発表した。今後はSBPへの出資も検討。タイから輸出される木質ペレット・チップを取り扱うことで、将来的に拡大が見込まれるバイオマス燃料市場を捕捉していく。

 SBPはタイで植林されているアカシアやユーカリの原木、ゴムの古木を原料に、公的認証を受けた木質ペレット・チップを生産。タイ国内で250拠点を建設予定で、最大で年間1500万トンを出荷可能な体制を敷く。

 日本でバイオマス燃料を利用する発電所は現在、東南アジアなどから輸入するパームヤシ殻(PKS)を多く採用。2016年度の輸入量約100万トンのうち、阪和興業は20%を占める最大の取り扱い商社だ。

 ただ将来的にはバイオマス発電所が増えるためPKSだけでは賄いきれない見通しで、阪和興業は木質ペレットの需要拡大を想定。2020年の木質ペレット・チップの国内市場規模は年間300万~500万トンに上るとみている。

 既に2020年1月に稼働予定の豊前バイオマス発電所(福岡県豊前市)向けに燃料を10年間供給する長期契約も締結。今回のSBPとの提携を武器に、日韓の他の発電所にも長期供給できるよう契約締結を進めていく。

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