JFEの前3月期経常益、3割増の847億円 海外市況上昇でグループ会社の収益改善も寄与

 JFEホールディングスは27日、17年3月期の連結経常利益が前の期比31・9%増の847億円だったと発表した。従来見通しは700億円だったが、鉄鋼事業において海外市況を中心とした販売価格の改善やグループ会社の収益改善が寄与した。売上高は3・6%減の3兆3089億円、純利益は約2倍の679億円だった。

 セグメント別の経常利益は鉄鋼(JFEスチール)405億円、JFEエンジニアリング266億円、JFE商事218億円。ROS(売上高経常利益率)は2・6%。

 鉄鋼の通期粗鋼生産は単独2814万トン、連結3041万トンでいずれも前の期比増加。輸出比率は通期44%(前の期45・8%)と低下。

 鋼材平均価格は1~3月に7万2千円と、1年前比で1万1400円、1Q(ボトム)比で1万3500円上昇した。

今年度の粗鋼生産量「2900万トンに増加見通し」

 ▼岡田伸一副社長談「前期の経常増益は、棚卸資産評価差など一過性要因が大きく寄与した。一過性要因(280億円)を除く鉄鋼の実力経常益は125億円で、今回は評価性要素に助けられた決算だった。利益が従来予想を上回ったことを受け、期末配当は20円から30円に増やす。なお17年度の粗鋼生産は2900万トンに増加する見通し」

16年度設備投資2347億円

 JFEホールディングスの16年度の設備投資額(工事ベース)は15年度比10・4%増の2347億円だった。減価償却費は同2・6%増の1826億円。

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