JFEエンジの「発電型汚泥焼却技術」、国交省が実証事業に採択

 JFEエンジニアリング(社長・大下元氏)は27日、国土交通省の「17年度下水道革新的技術実証事業」(B―DASHプロジェクト)に「温室効果ガス削減を考慮した発電型汚泥焼却技術」が採択されたと発表した。

 同社と日本下水道事業団および川崎市の3社による共同研究体が提案したもので、2つの革新的技術の実証を行う。

 下水処理施設から排出される下水汚泥は発生量の半分程度が焼却処分されているが、汚泥焼却施設では窒素分の燃焼により一酸化二窒素が大量に発生。その温室効果は二酸化炭素の約300倍とされており、温室効果ガス排出源の1つとなっている。

 今回、既存の焼却施設へ容易に追加できる廃熱回収型高効率発電技術と局所撹拌空気吹き込み(二段燃焼)技術を実証する。

 廃熱回収型高効率発電技術は、火力発電所や廃棄物発電施設などで採用されている高効率のボイラ・タービン発電技術を含水率が高いため、発電が難しい下水汚泥の焼却施設に適用する。独自開発の小型高効率タービンを採用し、下水処理水を復水冷却に活用することで国内の平均的な規模(1日当たり約100トン)の汚泥焼却設備でも高効率発電を実現でき、自施設での使用電力を賄うことができる。

 また、局所撹拌空気吹き込み技術は、焼却炉への燃焼空気を2カ所に分けて局所から吹き込み、効率よく下水汚泥を燃焼させることで一酸化二窒素の発生を半減させる。この技術は、13年度から川崎市と共同研究を実施中で特許を出願している。これらの技術の実証フィールドは川崎市の入江崎総合スラッジセンターで、実証事業を通じて本技術の実用性を国内外に発信し、普及拡大を図っていく方針。

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