新日鉄住金エンジ、岡部の「総合実験センター」を着工

 新日鉄住金エンジニアリング(社長・藤原真一氏)は27日、総合建材メーカー、岡部(社長・廣渡眞氏)から受注した総合実験センター(茨城県下妻市)の建設工事を着工したと発表した。総鉄骨重量は約176トンで、今年創業100周年を迎えた岡部にふさわしい中核開発拠点となる。

外観図

 本センターは敷地面積約8043平方メートルで実験棟(延床面積1920平方メートル)と作業・倉庫棟(同800平方メートル)で構成される。コンセプトは「スケール(規模)」「テクニカル(技術)」「ヒューマン(人材)」の3つ。

 仮設資材の製品開発から構造技術の研究、新製品開発を躍進させる実験設備を導入し岡部の未来を構築するために技術者が創造性を養い活動することができる施設を目指す。創業100周年を迎える建設資材のトップメーカーとして、最新の試験設備と環境を整えた業界トップクラスの総合実験施設を構築する。

 実験棟は従来の構造実験棟(千葉県野田市)の約2倍の面積を有する。反力床や反力壁を設けることで大型の構造実験を可能とする。また、反力壁を中央に設置することで構造実験スペースを効率よく活用できる工夫も施す。

 さらに、作業・倉庫棟を実験棟と併設することで、試験体の製作から実験までをスムーズに行うことが可能となる。大型の制振ブレースから木造住宅を模した試験体の振動台実験まで幅広い動的試験が実施可能で、新たな分野により高度な新製品を投入する。また、従前から保有する静的試験機はベースパックやOSリングなど実大の構造実験を行う設備として一層の充実を図る。

 汎用試験機は3千kN級の万能試験機と1千kN級の長柱試験機を新たに導入。万能試験機は高強度素材や大口径の試験体にも対応できる。また、長柱試験機は仮設資材の座屈試験から梁部材の曲げ試験などさまざまな要素実験を実施できる。竣工は今年12月15日の予定。

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