ハム大田泰示、フルスイングに滲む覚悟 移籍1号で自信「豪快に打ちたい」

日本ハムの大田泰示外野手が29日、楽天戦(札幌ドーム)に「7番・中堅」で先発出場し、移籍後初アーチを放った。1点リードの5回1死走者なしで迎えた第2打席、美馬のカットボールを左中間スタンドへ豪快に放り込んだ。

日本ハム・大田泰示【写真:田口有史】

移籍後初本塁打、「ホームランのためにキャンプ、自主トレをやってきた」

 日本ハムの大田泰示外野手が29日、楽天戦(札幌ドーム)に「7番・中堅」で先発出場し、移籍後初アーチを放った。1点リードの5回1死走者なしで迎えた第2打席、美馬のカットボールを左中間スタンドへ豪快に放り込んだ。

 まさに挨拶代わりの一発だった。巨人からトレード移籍1年目の今季は、3月4日の巨人とのオープン戦(札幌ドーム)で左脇腹を痛め、今月23日に1軍復帰。この日が移籍後初めて迎える本拠地での公式戦だった。

「こんなに満員できれいな黄色になった中で大きな声援をもらってうれしかった。ここでケガをして、戻ってきて1試合目でホームランを打てたことは自信になる」

 この日は「北海道シリーズ2017 WE LOVE HOKKAIDO」の開幕日。特別ユニホームで黄色に染まったスタンドの声援に一振りで応えた。

フルスイングを忘れかけた時期も、「この感触を忘れないように、今日は寝ないです」

 8年間を過ごした巨人時代には、右打ちに走るなどフルスイングを忘れかけた時もあった。今季は「ホームランのためにキャンプ、自主トレをやってきた」と本来の長所である長打力を生かす覚悟を決めた。1軍復帰後、14打席目で描いたきれいな放物線。「きっちりとらえられた。この感触を忘れないように、今日は寝ないです」と報道陣を笑わせた。

 一塁に走者が置いた2回と7回には併殺打を放ったが、フルスイングをためらうことはない。

「これをきっかけに自分の持ち味を出せるように、豪快に打ちたい。(1軍に)上がってきてさっぱり打っていないのに、監督には声をかけて試合で使ってもらっている。勝利で返していければ」

“日本ハムの大田泰示”を印象づけたこの日、新天地での活躍をあらためて誓った。

石川加奈子●文 text by Kanako Ishikawa

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