イチロー3000安打式典に王氏ビデオ出演「日本人として大いに誇りに思う」

マーリンズは30日(日本時間5月1日)、本拠地でのパイレーツ戦を前に、イチロー外野手のメジャー通算3000安打達成を祝うセレモニーを行った。セレモニーの途中には、球場の巨大スクリーンに本塁打王・王貞治氏からのビデオメッセージが流れ、「1本でも多くヒットを打って下さい」と呼び掛けられたイチローが感極まった表情になる場面もあった。

メジャー通算3000安打達成を祝うセレモニーで握手を交わす、マーリンズ・イチロー(左)とサムソン球団社長(右)【写真:Getty Images】

通算3000安打達成を記念して全打席の写真をコラージュ

 マーリンズは30日(日本時間5月1日)、本拠地でのパイレーツ戦を前に、イチロー外野手のメジャー通算3000安打達成を祝うセレモニーを行った。セレモニーの途中には、球場の巨大スクリーンに本塁打王・王貞治氏からのビデオメッセージが流れ、「1本でも多くヒットを打って下さい」と呼び掛けられたイチローが感極まった表情になる場面もあった。

 イチローは昨年8月7日、敵地でのロッキーズ戦で右翼フェンス直撃の三塁打を放ち、メジャー史上30人目となる通算3000安打を達成した。当初は昨年9月にセレモニーを開催する予定だったが、エース右腕ホセ・フェルナンデスが事故により急逝したため延期。日本の伝統と文化を紹介する「ジャパニーズ・ヘリテージ・デー」だったこの日に同時開催された。

 式典では「The one and only Ichiro(唯一無二の存在イチロー)」と紹介された背番号51が、ダグアウトからグラウンドに姿を現すと、球場全体が大きな拍手と歓声で包み込まれた。球団から贈呈された記念品は、メジャー1本目の安打から3000安打までの全打席の写真で作られたコラージュ。地元紙「マイアミ・ヘラルド」電子版によれば、3000打席分の写真の上に「3000」というオレンジの文字が浮かび上がる巨大なプレートは、横が約2.6メートル、縦は約1.2メートル、重さは約45キロにも達するという。

 このプレートは美術商でもある球団オーナー、ジェフ・ローリア氏の肝煎りで作られた作品だそうで、サムソン球団社長は「これからのイチローの人生においても思い出に残るような、創造性があり特別なものを作るように命じられた」と明かしたそうだ。

サムソン球団社長「まったく別次元の感動が沸いたのだと思う」

 セレモニーでは、さらに「もう1つプレゼントがあります」と場内アナウンスが流れると、球場のセンターにある巨大スクリーンに、親交の深い868本塁打を誇る“世界の本塁打王”、王貞治氏が登場。「イチロー君、メジャーリーグでの3000安打おめでとう。日本人として、大いに誇りに思っています。好きな野球、もっともっとやって、1本でも多くヒットを打って下さい」と穏やかな表情で呼び掛けると、感極まった表情のイチローは帽子を取って深々と一礼した。

 記事によれば、王氏のメッセージに耳を傾けるイチローの横に立っていたサムソン社長は「今まで彼を見てきた中でも、最も感動的な瞬間だった。ミスター・オウが登場した時、まったく別次元の感動が沸いたのだと思う。彼の功績の重要性、いかに限られた選手しか成し遂げていなか、そしていかに彼が世界中で愛される存在なのか、実感したのではないだろうか」と話したという。

 セレモニーを終えてベンチに戻ったイチローは、元中日のチェン・ウェインや田澤純一らチームメイト1人1人とハグを交わし、その功績を称えられた。

 この日、スタメンから外れたイチローは6回1死走者なしの場面で代打出場したが、ストレートの四球で出塁。後続が倒れたため、生還することはなかった。現在はメジャー通算3034安打。歴代24位のロッド・カルー(3053本)まで「19」本となっている。50歳まで現役宣言をしているイチローは、これからも新たな歴史を刻み続ける。

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