2017年新人王レース第1回中間予想 セ・パで4月に活躍したルーキーは?

ペナントレースが始まって1か月が経過した。今年も新しい顔ぶれがチームの新戦力として活躍し始めている。今年の新人王候補は誰か。第1回の予想をする。

DeNA・濵口遥大【写真:荒川祐史】

パ・リーグは西武源田、オリ山岡、楽天森原が有力候補か

 ペナントレースが始まって1か月が経過した。今年も新しい顔ぶれがチームの新戦力として活躍し始めている。今年の新人王候補は誰か。第1回の予想をする。

 NPBでは新人王(最優秀新人)の資格として、以下の規定を設けている。

「支配下選手に初めて登録されてから5年以内で、前年までの出場が投手は30イニング以内、野手は60打席以内の選手」

 昨年ドラフトで入団したルーキーだけでなく、2013年以降に支配下登録された選手が対象になるのだ。

 パ・リーグの新人王有資格者の成績は別表の通り。

 西武の2016年ドラフト3位・源田壮亮は、社会人(トヨタ自動車)出身で、即戦力の評判が高かったが、遊撃のレギュラーに定着。守備だけでなく打撃や走塁でも新人らしからぬ活躍。他の選手から頭一つ抜けている。

 オリックスの2012年ドラフト4位・武田健吾は少ないチャンスを活かして10打数4安打。打線は好調だが、外野の一角に割り込むことができるか。

 投手では、オリックスの2016年ドラフト1位・東京ガス出身の山岡泰輔が先発で3試合登板。前回の登板では好投が報われず、初白星を逸したが、防御率2.25と高いレベルを保っている。

 楽天の2016年ドラフト5位・森原康平も社会人(新日鐵住金広畑)出身。セットアッパーとして早くも15試合に投げ、自責点はわずかに1。9ホールドを挙げている。ロッテの2016年ドラフト1位・桜美林大の佐々木千隼は、新人の先頭を切って初登板初白星を挙げた。

 パの新人王争いは今のところ西武の源田、オリックスの山岡、楽天の森原が有力候補と言えよう。

セはDeNA濵口、中日三ツ間の両投手が活躍

 続いて、セ・リーグ。中日の京田陽太は2016年ドラフト2位、日本大出身。立浪和義2世と高い評価を受け、源田と同様、遊撃手として開幕から起用された。守備では評価が高いが、打撃では2割を割り込んでいる。

 2014年巨人ドラフト1位、智弁学園から入団して3年目の岡本和真は、今季外野にコンバートされた。厚い選手層でレギュラーを獲得するのは大変だ。岡本は今季の出場によって通算打席数が60に達したので今年が新人王獲得の最後のチャンスになる。

 慶応義塾大から2016年ドラフト1位で広島に入団した加藤拓也は初登板であわやノーヒットノーランという快投を演じたが、以後3連敗、今後真価が問われるところだ。

 神奈川大から2016年ドラフト1位でDeNAに入団した左腕・濵口遥大は、開幕1軍を勝ち取りローテーションの一角として好投を続けている。2015年育成3位で中日に入団したルートインBCリーグ武蔵出身の三ツ間卓也は、セットアッパーとして好投を続ける。同じ独立リーグ出身の又吉克樹が先発に転向した穴を見事に埋めている。

 セは現時点でDeNA濵口、中日三ツ間の両投手の争いか。

 現在、まだファームでプレーしている新人王有資格者が遅ればせながら新人王レースに参戦することも予想される。引き続き、今季の新人王争いにも注目していきたい。

広尾晃●文 text by Koh Hiroo

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