ザ・チェインスモーカーズ 『メモリーズ...ドゥー・ノット・オープン』全米初チャートNo.1、今年を代表するもう一つのアルバム

ザ・チェインスモーカーズ『メモリーズ...ドゥー・ノット・オープン』

 ニューヨークで活躍するドリュー・タガートとアレックス・ポールの2人組。“時代の真ん中を射貫くポップ・ミュージックの新たなスタンダード”というキャッチがそのもののデビュー・アルバムです。2016~17年の全米シングル・チャートのトップ10に「ローゼズfeat.ロゼス」「ドント・レット・ミー・ダウンfeat.デイヤ」「クローサーfeat.ホールジー」「パリ」の4曲を送り込み、第59回グラミー賞では3部門でノミネートされ、最優秀ダンス・レコーディング賞を獲得しました。全世界での再生回数は50億回、動画再生は30億回、ソーシャル・メディアが1年間という短時間で彼らを世界のトップ・スターに育てたのです。

 興味深い点は最新のインフラで人気を得た彼らの音楽が至ってシンプルなポップスであるということ。BPMを落としたダンス、ロック・ビートをベースにパーソナルなテーマと共感を呼ぶコーラスの反復で思いをリアルに表現していきます。まさにシェア(共有)される音楽といえます。

(ソニーミュージック・2200円+税)=北澤孝

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