憲法改正に反発と警戒感 70年節目で 横浜市民ら訴え

 施行70年の節目の憲法記念日となった3日、横浜市内では、基本的人権の尊重や平和主義など、憲法が果たしてきた役割を再確認し、改悪阻止を訴えるイベントが相次ぎ開かれた。国会で審議中の「共謀罪法案」や、海上自衛隊の護衛艦による米艦防護に対し危機感が表明されたほか、安倍晋三首相が改正憲法の2020年施行を目指すとしたことに、「お試し改憲だ。その次には自民党憲法改正草案がある」などと、反発と強い警戒の声が上がった。

 神奈川区では、約800人が足を運んで「憲法改悪を許さない5・3県民のつどい」(神奈川憲法会議主催)が開催され、約400人がデモ行進。鶴見区では合唱や展示などで平和憲法を守ろうと訴えた「鶴見平和フェスティバル」(実行委員会主催)も行われた。

 JR桜木町駅前では、県弁護士会の延命政之会長ら約30人がチラシを配って平和と立憲主義の擁護を訴えたほか、九条かながわの会のリレートーク、自由法曹団神奈川支部の街頭活動も行われた。

 北朝鮮情勢など、平和の危機が現実化する中で、憲法の尊さと施行70年の意義が熱く語られた。

 安倍首相の発言に対し九条かながわの会事務局代表の岡田尚弁護士は「9条に自衛隊の明記を付け加えるというのは、そこだけ取り上げられると国民に受け入れられやすい、したたかなやり方だ。しかし、それは第一歩。その先に自民党改憲草案がある」と指摘。「今こそ、憲法を暮らしの中に内実化する取り組みを地道に行っていきたい」と語った。

 また、神奈川憲法会議事務局長の浅川壽一弁護士は「安倍首相の本気さを感じるが、国民の理解は進んでいない。つどいには予想以上の参加があり、北朝鮮情勢などを受け、9条を守りたいという国民の声が広がっているのを感じる。憲法を守ろうとする国民の声が押しつぶされないよう、共謀罪の阻止が重要だ」と話した。

 つどいでは、沖縄弁護士会の加藤裕弁護士が、辺野古をはじめとする沖縄の現状について講演。「米軍基地は北朝鮮のミサイル攻撃の標的。基地があることが平和への脅威になっている」と述べ、憲法と基地の問題を直視するよう訴えた。

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