包丁さばき鮮やかに 横須賀・走水神社で供養祭

 日ごろ料理に使う包丁や食物に感謝し、食文化の向上を祈る「包丁供養祭」が5日、横須賀市走水の走水神社で開かれた。走水包丁塚保存会の主催。

 包丁塚の前で行われた神事、包丁納め式では、一般家庭や飲食店などで使われなくなった十数本の包丁を奉納。続いて、まな板のタイに手を触れずにさばいていく四条古流包丁式も披露された。

 烏帽子(えぼし)姿の調理師が、右手に包丁、左手に真魚箸(まなばし)を持ち、古式にのっとった優雅な手さばきを見せ、来場者を楽しませた。会場ではこのほか、居合剣舞なども行われた。

 包丁塚は、同神社の祭神である日本武尊(やまとたけるのみこと)が、この地でハマグリ料理を献上されて喜んだといわれる故事にちなみ、県調理師会の呼び掛けで1972年に建立された。その後、毎年、包丁供養祭を開いている。

 式典で滝沢朝夫同保存会会長(県調理師会会長)は「料理人の命といえる包丁を供養することは大変意義がある。今後もいっそう調理の発展のために励んでほしい」とあいさつした。

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