中国の4月鋼材輸出、649万トン=9カ月連続の前年割れ

 中国税関総署が8日に発表した貿易統計によると、4月の鋼材輸出は前年同月比28・5%減の649万トンとなり、9カ月連続の前年割れだった。

 中国の国内市況は3月から下落へ転じ、4月積み以降で鋼材輸出が増える可能性があるとみられたが、前月比でも107万トン減少した。中国市場につられて海外の鋼材市況も急落したため、結果的に中国勢の輸出商談も不調だったもようだ。

 旺盛な公共投資による建材向けなど内需が堅調で、中国ミルの販売が国内市場で吸収されていることも輸出が増えにくい一因とみられる。

 4月の鋼材輸入は1・8%減の108万トンとなり、10カ月ぶりに減少へ転じた。

 1~4月累計では、鋼材輸出が前年同期比25・8%減の2721万トン、鋼材輸入は7・8%増の456万トンだった。

鉄鉱石輸入は今年最低

 鉄鋼資源関連では、4月の鉄鉱石輸入が2%減の8223万トンで、今年の月間最低だった。トン当たりの単価はC&F83・3ドルで、前月から約2ドル上昇した。

 4月のコークス輸出は74万トンだった。

 1~4月累計では、鉄鉱石輸入が前年同期比8・6%増の3億5309万トン、コークス輸出が19・8%減の275万トンだった。

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