【中部鋼鈑・社長交代一問一答】太田社長「新社長は知見広く、製造熟知」

 中部鋼鈑は、重松久美男常務(60)が代表取締役社長に昇格するトップ人事を内定した。太田雅晴社長(65)は取締役相談役となる。6月22日に開催する株主総会で正式決定する。

太田社長(左)と重松常務(次期社長)

 2017年3月期末決算の席上、太田社長がトップ交代に至る経緯などを語った。

――今回、社長交代に至った経緯は。

 「私が社長に就任して7年が経過した。リーマンショック後の混乱した時期からこれまでに、鉄鋼業を取り巻く需要環境なども変化し、この辺りでトップ交代を行うべきと判断した。健康上の問題などはない」

――この間、本社工場の環境対策や設備の老朽化更新などにも力を入れたが。

 「ちょうど更新時期にあったということでもあるが、防音などの環境対策などは順次手掛けてきた。また、中期経営計画も実施し、コストダウンなどでクリアできた部分はあったが、課題も明確になった」

――次期社長に重松常務を選任した理由は。

 「経営環境の変化に対応して、経営体制の強化を図るのが理由。製造から営業、購買などを幅広く見てきて、当社のことを最もよく知っている。特に製造については熟知しており、経営の指揮を執る最適の人物だと信頼している」

――今年度の経営環境をどう見るか。

 「需要面では、下期から回復傾向が目立ってくるとみており、増収増益を見込んでいる。世界的な潮流の変化がクローズアップされる中で、市場を見て的確に判断することはますます重要になる。トップ交代と同時に、営業などの人員体制も少し変える。新体制で変化に機敏に対応してほしい」

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