JFEスチール、豪で高品質原料炭開発=18年初旬に出荷開始

 JFEスチールは8日、権益を持つオーストラリアの原料炭炭鉱の開発に着手すると発表した。2018年初旬の出荷開始を目指す。コークスの主原料となる強粘結炭のうち、品質の高い「一級強粘結炭」を埋蔵する炭鉱で、JFEは同炭鉱の開発・運営を通じ、原料炭の長期安定確保につなげる。

 開発するのは、豪石炭会社Qコールと権益を共同保有するバイヤウェン炭鉱(クイーンズランド州)。運営会社への出資比率はQコール85%、JFE15%。

 フル稼働後は年産1千万トン規模となる予定。原料炭炭鉱が集積するクイーンズランド州の中でも、競争力の高い露天掘り炭鉱の一つとして注目されていた。

 JFEは09年に約500億円を投じて権益を取得。当初は12年の操業開始を目指していたが、石炭価格の下落などで開発を見合わせていた。コークス製造に不可欠な高品質原料炭の生産・出荷が可能なため、中長期的に競争力を維持できると判断、開発を決定した。

 今回の開発に当たっては、新たに二つの鉱区の採掘権を取得。取得済みの1鉱区と合わせ計3鉱区を開発する。18年の操業開始に向け、採掘用重機や選炭設備などの導入を急ぐ。

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