楽天茂木「野球人生初」満塁弾 早くも昨季超え8号、量産の秘訣を自己分析

勝利を大きく引き寄せたのは、最強のリードオフマンだった。楽天の茂木栄五郎内野手。9-2で勝利した14日のソフトバンク戦(ヤフオクD)の5回に自身初となるグランドスラムを放ち「打ったときは入ると思わなかった。外野フライで追加点が入れば、と思ってました。最高の結果になってくれました」と笑顔で振り返った。

楽天・茂木栄五郎【写真:荒川祐史】

勝利を大きく引き寄せる一発、「満塁で打った記憶がない」

 勝利を大きく引き寄せたのは、最強のリードオフマンだった。楽天の茂木栄五郎内野手。9-2で勝利した14日のソフトバンク戦(ヤフオクD)の5回に自身初となるグランドスラムを放ち「打ったときは入ると思わなかった。外野フライで追加点が入れば、と思ってました。最高の結果になってくれました」と笑顔で振り返った。

 会心の一打は、5回のビッグチャンスで飛び出した。島内の右中間への二塁打、岡島の中前安打、そして嶋の四球で作った無死満塁で打席に入る。

「追い込まれていたので、何とか外野フライを打とう、と。次の打者につなぐつもりでいった」

 2ボール2ストライクからの6球目。ソフトバンク先発の寺原が投じた、外角高めに抜けたスライダーを逃さなかった。押し込んだ打球は、左翼フェンスの最上部に当たり、ホームランテラス席へと消えた。「野球人生で初めてだと思います。満塁で打った記憶がないので」という、人生初のグランドスラムだった。

梨田監督も称賛、1番起用の理由と活躍の要因は?

 ルーキーイヤーの昨季は7本塁打。これで今季の8号となり、32試合目で早くも、昨季の本塁打数を超えた。「本塁打の数は意識していない。フルスイングするよりも、確率よく芯に当てることを意識している。力が抜けてスイング出来ていることで、いい角度がついている」と、2年目の本塁打量産の秘訣を自らで分析する。

「キャンプから、コーチ含め、強力な1番でいこうという話で(1番で起用している)。十分な結果を出してくれている」という梨田昌孝監督は、ここまでの茂木の働きを評価。活躍の要因を「2年目で落ち着きも出ているし、相手の投手のことも頭にある。準備が出来ている」とした。

「梨田監督がどういう意図で1番に置いているのか、意識してやっている」という茂木。この日は母の日ということで「いつも心配ばかりかけているので、元気な姿を見せられました。今日の朝も『頑張れ』とメッセージが来ていました。ほとんどの試合で試合前に連絡が来るんですけどね」と母親への感謝も口にした。チームは大勝。再び2位・ソフトバンクとの差を2.5ゲームに広げた。

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

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