中国、増産に拍車=4月粗鋼、また最高の7278万トン

 中国・国家統計局が15日に発表した同国の4月の経済統計によると、同月の粗鋼生産は前年同月比4・6%増の7278万トンとなり、前月の7200万トンを超え月産最高を更新した。1日当たりの生産量も前月から10万4千トン増え242万6千トンと最高を記録。年率8億8千万トンペースへと急拡大した。

 3月まで中国内外の鋼材市況が高原状態で推移し、好採算とみた中国ミルが休止設備を再稼働させるなど増産に拍車を掛けたことが統計上でも示された格好だ。

 足元の中国市場は、公共投資が下支えし建材向け需要は依然堅調なものの、4月の新車販売は前年同月比2・2%減の208万4千台へと1年2カ月ぶりに前年割れへ転じている。春節(旧正月)休みといった季節要因がなかったにもかかわらず自動車販売が減少基調へ転じた背景には、日系以外の車メーカーに減税措置の縮小影響が広がってきたためとされる。

 需要をけん引してきた車向けの減速に中国内での薄板増産が加わり、中国鋼材市況は特に薄板類の調整色が強まっている状況だ。

 粗鋼以外の生産量は、銑鉄が6258万トン(前年同月比5・4%増)、鋼材は9490万トン(同0・5%増)だった。

 1~4月累計の鉄鋼生産は、銑鉄が2億3821万トン(前年同期比4・2%増)、粗鋼が2億7387万トン(4・6%増)、鋼材が3億5783万トン(1・7%増)だった。

自動車生産、前年並みへと失速

 鉄鋼以外の4月の経済統計では、増加基調が続いていた自動車生産が220万9千台(前年同月比0・3%増)と、ほぼ前年並みへと失速した。1日当たりの生産台数は7万4千台で、前月からは1万3千台減った。

 車種別ではSUVが11・0%増の71万7千台と堅調な半面、乗用車は8・3%減の86万台と2カ月連続の前年割れだった。

 コークス生産量は3832万トン(5・9%増)、発電量は4767億キロワット(5・4%増)、金属加工機械の生産台数は7万台(12・5%増)だった。

 1~4月累計では、自動車生産が952万7千台(前年同期比6・9%増)、コークス生産が1億4551万トン(5・1%増)、発電量が1兆9382億キロワット(6・6%増)、金属加工機械の生産が26万台(5・8%増)だった。

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