ISSFが総会、会長に伊藤氏(新日鉄住金ステンレス社長)「存在価値高め、活性化を」 安全賞=アセリノックス、サステナビリティ賞=オウトクンプ

 ISSF(国際ステンレス鋼フォーラム)は18日、東京・丸の内のシャングリ・ラホテル東京で第21回年次総会を開催し、約90人が出席した。総会後の理事会でオウトクンプのローランド・バーンCEOに代わり、伊藤仁新日鉄住金ステンレス(NSSC)社長が会長に選出された。日本関係者でISSF会長を務めるのは日新製鋼の田中實氏、小野俊彦氏に次ぎ3人目。

伊藤会長㊧とアセリノックスのベラスケスCEO

 18日は表彰式、オープンパネルセッションも開催した。伊藤会長は冒頭で「現在、ISSFは25カ国31社のメーカー会員、26の関連業界団体で構成している。ニッケル価格が暴騰した時期にはフェライト・ソリューション活動を展開して新たな需要を創出し、水道管の漏水化対策でのステンレス活用など需要開発にも注力している。安全・環境・リサイクルの諸課題への対応も重要な取り組み課題だ。過剰能力問題は難しい課題だが、コンプライアンスを順守した上でISSFとして取り組めることに取り組み、存在価値をさらに高めて活性化を図りたい」と挨拶した。

 表彰式では安全賞(金賞)がアセリノックス、サステナビリティ賞(同)がオウトクンプ、ニューアプリケーション賞の新技術賞(同)がオウトクンプ、新市場開拓賞(同)がアペラム、永年功労賞がペッカ・エルキラ氏(オウトクンプ)に贈られ、各賞の銀賞、銅賞の贈呈も行った。

 パネルセッションでは北井義久氏(日鉄住金総研チーフエコノミスト)がアジア経済情勢、石川泰生氏(住友金属鉱山金属事業本部ニッケル営業・原料部フェロニッケル担当課長)が日本のニッケル市場、ジム・レノン氏(レッドドアリサーチ・マネージングディレクター)がニッケル概況、山口敦氏(SMBC日興証券株式調査部シニアアナリスト)がアジアのステンレス産業について講演した。

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