「戦いは終わらない」 共産・畑野氏 廃案訴え

 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が強行採決された19日。県選出議員でただ一人、衆院法務委員会に所属する共産党の畑野君枝氏(比例南関東)は、県内外で早朝から、同法案の廃案を訴えて回った。

 午前6時に起床し、選んだのは「勝負服」というベージュのスーツとピンクのシャツ。川崎駅東口で午前7時から、同党市議とマイクを握り「憲法違反の法案成立阻止を」と声を張り上げた。

 午前8時に国会に到着。論戦を前にしても笑顔を絶やさなかったが、法務委の開会直前、与党が19日中の採決を提案したと伝え聞くと表情が一変。「そんなことは絶対に許されませんからね。これからの審議で徹底的に追及したい」と怒気をあらわに委員会室に入った。

 午後1時すぎ。与党が採決を提案すると、小走りで委員長席へ。起立した与党議員を身ぶりで制したがかなわず「参考人質疑を含め、自分は(同法案について)3回しか質問していない。これから議論が深まるのに」と悔しがった。

 直後に議員会館前の抗議集会に参加し、午後6時前に桜木町駅前へ。同党の志位和夫委員長らと「満身の怒りを込めて抗議する」と訴えた。

 広場を埋めた支援者の拍手を浴びると、表情は再び和やかに。演説後は「廃案に向けた戦いはこれで終わらない。参院と連携し、ますます問題点を追及していく」と決意を新たにしていた。

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