男性4人に1人DV被害 75%「相談せず」 川崎市民調査 

 ドメスティック・バイオレンス(DV)被害は女性だけでなく男性の4人に1人も経験−。そんな実態が川崎市男女共同参画センター(すくらむ21、同市高津区溝口)が市民を対象に実施した調査・分析で明らかになった。被害男性の4人に3人が誰にも相談していなかったことも判明。同センターは結果をまとめた冊子「数字で見る 川崎市におけるDVの現状と市民の認識」を発行した。

 DV被害経験は、女性はほぼ3人に1人に当たる32・8%が「ある」と回答、男性も23・0%に上った。男性の被害の内訳(複数回答)は、殴るなど身体的暴力15・1%、傷つく言葉や無視など精神的暴力11・8%、性的強要4・8%。

 被害を相談していないのは女性49・5%に比べ、男性は74・7%と25・2ポイント高かった。男性の理由は「相談するほどではない」63・2%、「自分にも悪いところがある」36・8%が上位。

 被害男性の年代別で最大は20代の28・5%。女性も20代は34・8%と、70代の40・3%に次いで多く、男女とも若者の間のDVが目立つという。「交友関係や電話を細かく監視する」行為について、女性の59・3%、男性の52・6%がDVと認識していることも分かった。

 同センターは「恥ずかしいなどの理由で男性の方がDVを抱え込む傾向がある。男性専用の電話相談もあるので気軽に連絡してほしい」と話す。

 冊子は、男女共同参画に関する市民アンケート(3500人を対象に2014年実施)で得られた約1100人の回答を基に分析し今年3月に発行。A5判8ページで、2千部を無料配布している。問い合わせは、同センター電話044(813)0808。

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