児童虐待が過去最多 川崎市、初の2千件超 16年度相談・通告

 川崎市は23日、市内3カ所の児童相談所で2016年度に受理した子どもへの虐待の相談・通告件数が前年度比214件増の2134件に上り、初めて2千件を超えて過去最多だったと発表した。

 市児童家庭支援・虐待対策室によると、虐待種別では「心理的虐待」が1237件(前年度比188件増)でトップ。子どもの目の前で配偶者に暴力を振るう「面前DV(ドメスティックバイオレンス)」に関して警察からの通告が増えていることが要因という。

 次いで子どもに暴行を加える「身体的虐待」473件(36件増)、「ネグレクト(育児放棄)」402件(13件減)と続き、「性的虐待」は22件(3件増)だった。

 区別では、川崎区が538件と最多で、中原区の351件、高津区の292件と続く。相談・通告経路は警察経由が862件で最も多かった。

 年齢別では、0〜3歳未満と3歳〜就学前を合わせた就学前が977件と全体の45・8%を占めた。小学生が721件、高校生・その他151件だった。

 区役所で受け付けた件数は741件で前年度比127件増。16年度から区役所に地域みまもり支援センターを新設し、地区担当にした保健師を通じた発見も増えたという。

 同室では「児童虐待には早期発見、早期対応が求められるが、通告件数の増加は早期発見が増えてきたと受け止めている。相談・通告の内容をしっかり判断し、早期対応に努めたい」と話している。

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