大不振マーリンズは「解体すべし」―地元紙がバッサリ、外野トリオ放出も!?

イチロー外野手が所属するマーリンズは今季15勝28敗と借金13を抱え、ナ・リーグ東地区最下位に沈んでいる。ワールドシリーズを制覇した2003年以来のプレーオフ進出へ、早くも黄色信号が灯る苦しい状況。そんな中、チーム再建を進めるために主力を大量に放出する“お家芸”の「ファイヤセール」に出るべしという声も出ている。地元紙「マイアミ・ヘラルド」が「沈没中のマーリンズにあるスカウトのアドバイス “解体せよ”」と特集している。

マーリンズのスタントン【写真:Getty Images】

イチロー所属のマーリンズに厳しい声、スカウトは同情「選手はすでにガス欠」

 イチロー外野手が所属するマーリンズは今季15勝28敗と借金13を抱え、ナ・リーグ東地区最下位に沈んでいる。ワールドシリーズを制覇した2003年以来のプレーオフ進出へ、早くも黄色信号が灯る苦しい状況。そんな中、チーム再建を進めるために主力を大量に放出する“お家芸”の「ファイヤセール」に出るべしという声も出ている。地元紙「マイアミ・ヘラルド」が「沈没中のマーリンズにあるスカウトのアドバイス “解体せよ”」と特集している。

 不振の続くマーリンズに対して他球団はすでに絶望的な視線を送っている。記事によると、あるメジャー球団のスカウトは「彼らの先発投手では奇跡を起こすには足りない。負のスパイラルは続くだろう。彼らは今炎上モードだ」とマーリンズを酷評したという。

 開幕43試合にして、マーリンズは先行きが見えない苦境に突入。球団史上最高額の人件費を抱えながらも、マーリンズにとって悪夢となった1998年のシーズン108敗ペースに迫る状況になっていると、同紙は指摘する。

 前出のスカウトは「誰が次のオーナーになろうが、私のオススメは解体すべし、だ」と前出のスカウトは語ったという。現在、オーナーのジェフリー・ローリア氏は元ヤンキースのデレク・ジーター氏のグループなどと身売り交渉を進めているが、誰が買い手になろうと、チームを解体する以外に道はないと厳しく斬っている。

 最近25戦で20敗。失速が止まらないマーリンズは、投打ともに苦しい状況にある。記事では、得点はメジャー25位、先発陣の防御率は同28位、リリーフ陣のイニング数(164回1/3)は同2位というデータを紹介。スカウトは「選手はすでにガス欠だ。まだ5月末なのに」と同情的だったという。マイケル・ヒル強化責任者は、チームの修正点について「ある部分だけを指摘できれば良かった。しかし、想定外のことがあまりにも多く起きている。控えめに言ってフラストレーションは溜まるね」と語っている。

オズナ&イエリッチにスタントンも? 再建へは「最短5年。厳しいものになる」

 このチーム状況が続くなら、スカウトは7月31日のトレード期限で現有戦力を売るしかないと指摘する。放出候補はマーセル・オズナ、クリスチャン・イエリッチの両外野手、クローザーのA・J・ラモス投手、そして、リリーバーのデビッド・フェルプス投手だという。

「一番見返りが大きい選手はイエリッチだ。リアルミュート(捕手)は彼らが放出する一番手かもしれない。なぜなら、年俸が安く、管理しやすいからだ。だが、それはチームが前進するチャンスを完全に失うことになる。だから、オズナやイエリッチのように年俸負担が高くなる選手から手始めにするべきだ」

 メジャー最強外野手と呼ばれたマーリンズの宝でもあるイエリッチとオズナを放出するべしと、スカウトは主張。イエリッチはWBCでアメリカ代表の優勝に貢献した若手の実力者だが、“聖域”ではないようだ。 

 そして、チームの再建を実現するにはマーリンズの顔も売却しなければいけないという、容赦のない意見も出ている。ジャンカルロ・スタントン外野手だ。スタントンの年俸は今季まで1450万ドル(約16億円)だが、来季から2028年まで総額2億9500万ドル(約330億円)に跳ね上がる。2014年シーズンの本塁打王は近年、故障と不振続き。今季は打率.261、11本塁打、30打点だが、確かにメガディールに見合う価値はないと言える。 

「スタントンはまず着手しなければいけないが、本当に高くつくことになる」「スタントンの年俸全てを他球団に負担させることは絵空事だ」

 あまりの高年俸と生産性の乏しさから、トレードも困難だとスカウトは指摘。「ここまで故障に苦しまなければ、彼らは勝率5割までいったかもしれない。投手陣があまりにも(ひどい)なので、それ以上行くことはない」とマーリンズの現状を総括したスカウトは、チーム再建までの道のりを「最低5年。本当に厳しいものになるだろう」と分析したという。

 再建のためにはレギュラーの先発外野トリオの全員トレードが必須という現状。そうなれば、今季不振のイチローにも少なからず影響があることは確かだ。果たして、どんな未来が待ち受けているのだろうか。

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