1996年にデビューし、98年の1stアルバムは週間1位を獲得、近年はミュージカルで人気の女性の20周年記念盤。
Disc1は、初期5年間のシングル表題全15曲を収録。明るい曲調も激しい曲調も、とにかく高音ボーカルのダンスチューンが連続するが、終始、彼女の声のキレが良く感心する。やや力んでいる気もするが、その懸命さも彼女の魅力だろう。
Disc2は、初期のオリジナル曲に加え、今回の新録音3曲を収録。ここでは穏やかな曲がぐんと増え、近年ファンになった人も好みそうだ。特に、新録音の『好きだったよ』は優しくメロウな歌声に余裕を感じるし、『命をあげよう』と『夢やぶれて』は、ピアノ伴奏だけとは思えぬほど、スケール感のある歌声が溢れている。才人なだけに久々に新作が聴けること自体が嬉しい。
ブックレットには、彼女の音楽への真摯な姿勢が伝わるインタビューも掲載。本作を聞けば、たとえ時間がかかっても、形を変えても努力が報われると信じられるはず。
(ソニー・2778円+税)=臼井孝