東京電線工業、タイ子会社で工場増設 ワイヤハーネスの能力倍増

 東京電線工業(本社・東京都狛江市、社長・高安茂樹氏)はタイ子会社で工場を増設し、同国でのワイヤハーネス製造能力を倍増する。2017年内をめどに増設工場を一部操業し、18年5月をめどにフル稼働させる。自動車部品向けをはじめエアコンや産業機械向けの需要増に対応することが狙い。現在の拠点に隣接する工場を新たに賃借。増員を図るとともに、ハーネスの組み立てなどを行う設備を増設する。投資金額は工場の改修費用や設備などを含めて数億円規模になる見通し。

 タイ子会社の東電工タイランドはバンコク東部のアマタナコン工業団地に立地。ワイヤハーネスを電線から一貫生産している。

 16年夏から自動車部品向けワイヤハーネスの製造を本格化させており、現在はシートベルトやエアバッグ向けのハーネスなどの生産が順調に増加。さらに日系エコンメーカー向けの需要も好調で、現在はフル稼働となっている。足元は一部2シフトでの操業体制を敷いて需要に対応している。

 今後も既存顧客からの増産要請に応えるとともに、新規顧客の開拓を進めるため工場増設を決めた。増設するのは、はんだ付けや圧着、検査などの設備で自社開発する方針。可能な部分については自動化を進める。

 タイ子会社の売上高は今期(17年1~12月)は前期比で5割増となる見込み。工場は11年の洪水で被災し現在の立地に移転。生産・販売の回復を目指した取り組みを進めてきた。高安社長は「今期は洪水前の売上規模に戻していく。来期はさらに2割ほど上乗せしたい」と期待している。

© 株式会社鉄鋼新聞社