古河機械金属が新中計、19年度営業益85億円目指す 機械事業、持続的に拡大

 古河機械金属(社長・宮川尚久氏)は24日、17年度から3カ年の「中期経営計画2019」を発表した。古河ブランドの価値向上を目指し、グループ内でのマーケティング経営の浸透を図るとともに、コア事業と位置付ける機械事業の持続的拡大、人材基盤の拡充・強化、企業価値向上に資する投資等の積極的推進、経営基盤の整備に取り組む。最終19年度に営業利益85億円程度(16年度実績は65億円)、ROE6~7%程度(同5・9%)を目指す。同社が中計を発表するのは08年以来、9年ぶり。前回の中計発表後、リーマンショックなど外部環境の急激な変化を受け、中計の公表を見送っていた。

 新中計は、25年に向けた長期ビジョンを具現化していくための第1フェーズとして、新たな成長の礎を構築する期間と位置付けた。機械事業では、リニア中央新幹線、整備新幹線、東京オリンピックなどに関連した国内需要を確実に取り込むと同時に、各部門の新たな成長の礎を構築する。機械事業の19年度の営業利益は16年度比74・6%増の62億5千万円を見込む。

 産業機械は顧客への最適な提案営業などエンジニアリング力の強化を図り、国内市場の事業基盤の拡充に取り組む。ロックドリルは新型トンネルドリルジャンボの展開強化やドリル製品群の海外事業基盤の拡大を図るとともに、吉井工場の設備増強・レイアウト改革など収益基盤の強化に取り組む。ユニックは国内販売での確実な利益確保とストックビジネス、海外販売での収益拡大を目指す。

 機械事業の海外販売比率について宮川社長は「ロックドリルは足元の55%程度から60%以上で安定化させたい。ユニックは足元の20%弱から19年度には30%以上まで伸ばしたい」と語った。

 素材事業のうち、金属部門は電気銅の輸出販売を減らすなど採算重視の最適生産・販売体制を確立し、収益体質の向上を目指す。営業利益は16年度の17億円から19年度は7億円に減少すると想定するが、宮川社長は「買鉱条件の悪化傾向が続くとみているほか、電気銅の委託生産比率の縮小も織り込んでいる。祖業なので守っていくが、大きな利益は期待せず、安定的に収益を出していける体制としたい」と語った。

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