モリタ環境テック、電線被覆くずから微小銅回収選別装置を開発

 スクラップ処理設備メーカー、モリタ環境テック(社長・鹿野剛氏)は、廃電線をナゲット処理した後の被覆くずから微小な銅を選別回収する「振動テーブル型静電選別装置」を芝浦工業大学と共同開発した。26日まで都内で開催されている「2017NEW環境展」に試作機を出展している。微小な銅を回収した後の被覆材をPVC(ポリ塩化ビニル)とPE(ポリエチレン)に分別する選別装置と組み合わせ、来年にも製品として販売を始める見通し。細かな被覆くずから、さらに微小な銅などを分別・回収する装置は国内でも例が少なく、日本型の精緻な分別・回収システムとして製品化が期待される。

廃電線をナゲット処理した後の被膜くずから微小な銅を選別回収する「振動テーブル型静電選別装置」

 現在、ナゲット処理後の被覆くずは主に燃料として利用されるか、産業廃棄物として処分されている。被覆材の中に残っている微小な銅を回収すると同時に、プラスチックも種類別に分別することで廃電線のマテリアルリサイクルを深化させる狙い。非鉄スクラップ業者にとっては同装置の導入により、産廃処理コストの低減にもつながる。

 微小な銅を回収する「振動テーブル型静電選別装置」は摩擦力と空気抵抗力、静電気力の違いにより乾式で選別する仕組み。PVCとPEに分別するのは「円筒電極型静電選別装置」で、電極の間に被覆材を落下させ、帯電量や極性の違いによって乾式で分別する仕組み。

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