東京電線工業、技術営業で車載分野強化 経常益、高水準を維持

 機器用電線やワイヤハーネスなどを手掛ける東京電線工業(本社・東京都狛江市、社長・高安茂樹氏)は技術営業を強化。ホームドアや車載カメラ回りなど成長市場で電線を拡販する。併せて商社向けを新商圏として開拓する方針。海外では自動車部品向けワイヤハーネスに注力する。国内外で成長需要を捕捉。前期(16年1~12月)に増加した経常利益は今期引き続き高水準を維持し、円高の中でも売上高は150億円レベルを保つ。

 技術営業の強化では技術部門のスタッフを6月に栃木県の那須工場から本社に異動。営業との連携を強化し、顧客の専門的な要望に迅速に応える体制を整える。注力する鉄道のホームドア向けには、長尺ケーブルを拡販。車載カメラ向けについては伝送損失が低く耐屈曲性が高いケーブルで市場を捕捉する。

 高安社長は「登場して間もない分野だが当社には実績がある。培ってきたノウハウと技術営業でシェアを高めたい」と話している。商社向けでは西日本などでの販売拡大に期待。商社経由のビジネスを将来的に売上高の3割まで成長させたい考えだ。

 中国とタイを中心に取り組んでいるワイヤハーネス事業はOA機器向けの需要に対応しつつ、拡大が見込まれる車載需要を取り込む。タイでは年内にもに工場を増設。今後は安定供給体制の強化へ国内でハーネス加工の体制強化を検討する。

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