「脆さ」から“しつこさ”へ 日ハム大田、覚醒の過程で身につけつつあるもの

日本ハムの大田泰示外野手が26日、本拠地でのソフトバンク戦で自己最多を更新する6号勝ち越し2ランを放ち、7-5での勝利に導いた。

日本ハム・大田泰示【写真:石川加奈子】

「新鮮さがある」―覚醒の“未完の大器”は新天地で何を吸収しているのか

 日本ハムの大田泰示外野手が26日、本拠地でのソフトバンク戦で自己最多を更新する6号勝ち越し2ランを放ち、7-5での勝利に導いた。

 3回、レアードの満塁走者一掃適時二塁打の後だった。2死二塁の場面でバンデンハークの初球を強振すると、打球は左翼席に一直線で飛び込んだ。

「真っすぐがいいピッチャーなので、真っすぐからと思っていました。2アウトでランナーがスタートするし、小さくならず思い切っていった結果。しっかりとらえられて良かった」

 打った瞬間ホームランとわかる完璧な当たりに大田は胸を張った。

 豪快な一発の伏線は、実は第1打席にあった。カウント1-1から4球ファウルで粘った後、外角低めの変化球を中前へ運んだ。「あそこで1本出たのが、次の思い切りにつながったと思います」と振り返った。

「勉強になります」、レアード&中田から学ぶ「立ちふるまい」

 打席の中で追い込まれてから簡単に終わらない“しつこさ”を身につけつつある。「結果がすべてなので必死です。追い込まれた後、少しずつだけど、ついていけている。でも、まだ脆さがある。その中で自分のスイングをしたい。まだまだ結果を残さいと信頼を得られないし、ファンの皆さんにしっかり応援されるようになりたい」と謙虚に語る。

 この日は14号ソロなどで4打点を挙げたブランドン・レアード内野手と一緒にお立ち台に上がった。本拠地の練習ではいつもレアードと並んでフリー打撃を行っている。

「レアードだったり、中田さんだったり、練習や立ちふるまいなど勉強になります。ジャイアンツから来て1年目で新鮮さがあるので、いいものを取り入れていきたい」

 未完の大器は、新天地で様々なものを吸収しながら進化している。

石川加奈子●文 text by Kanako Ishikawa

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