ホークス先発陣に今季12球団初の異変…4戦連続5回持たず、疲弊する救援陣

少しばかり荷が重かっただろうか。27日の日本ハム戦(札幌D)で、ソフトバンクの先発マウンドには松本裕樹投手が立った。2014年のドラフト1位。プロ3年目の右腕にとって、この日がプロ入り初の1軍での先発マウンドだった。

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:荒川祐史】

最近7試合では23日の東浜を除く6試合で責任イニングを果たせず

 少しばかり荷が重かっただろうか。27日の日本ハム戦(札幌D)で、ソフトバンクの先発マウンドには松本裕樹投手が立った。2014年のドラフト1位。プロ3年目の右腕にとって、この日がプロ入り初の1軍での先発マウンドだった。

 結果的に言えば、5回途中9安打5四球で6失点。立ち上がりから持ち味である制球が乱れ、四球が失点に絡んだ。5回1死まで持ち込み、プロ初勝利の権利まであと2人となったが、そこから連打を浴びて降板。チームは序盤から打線が爆発して13得点を奪って勝利したものの、松本にとっては悔しいプロ初先発になった。

 この日ソフトバンク打線は15安打13得点、デスパイネ、松田、内川の主軸に本塁打が出た。チームとしては5試合連続2桁安打、11試合連続で本塁打中。デスパイネは来日初となる4戦連発、内川もここ5試合で4発と、打線は元気である。

 好調な野手陣と対照的に、心配なのが投手陣だ。この日は14安打で8失点、26日は7失点、25日も12失点と大量失点が続いている。その中でも先発投手陣が危機的状況となっている。24日の摂津(4回1/3)、25日の中田(4回)、26日のバンデンハーク(3回1/3)、そして27日の松本(4回1/3)と、4試合連続で5回を持たずにKOされている。

 プロ初先発となった松本に多くを求めるのは酷だろうが、先発投手が4試合連続で5回持たずにKOされたのは、今季12球団で初のこと。開幕から19試合連続で先発投手に白星がつかなかった中日や、パ・リーグ最下位に沈むロッテにすら、無かったことなのだ。

リリーフ陣に4連投させない指揮官だが、最近7試合で石川、森は5登板

 しかも、23日のロッテ戦(ヤフオクD)では東浜が7回を投げているが、その前の試合、21日の西武戦(メットライフ)の寺原は2回2/3、20日の同戦は中田が2回1/3で降板している。7試合中6試合で先発が責任イニングの5回を投げ抜けていない。和田、武田が戦列を離れ、摂津、中田といったベテランは精彩を欠く。台所事情は厳しいと言わざるを得ない。

 これに付随して出てくるのが、中継ぎ陣への負担の増加だ。石川が先に上げた7試合中5試合、森も5試合、五十嵐が4試合、飯田も4試合、23日に昇格した笠原は24日から3連投と登板が増えている。27日はリードを守り抜くために5回に五十嵐を投入。加治屋、岡本、笠原、飯田とブルペンには残っていたが、6、7回を森、8、9回を岩崎が投げた。家庭の事情で一時帰国中の守護神サファテを欠く中で、必勝を期した決死のリレーだったのだろう。

 投手出身の工藤公康監督は、就任以降、サファテを除くリリーフ陣の連投を原則3連投で止めるようにしてきた。名前を挙げた中継ぎ投手も、この間4連投はしていないが、これだけ先発陣が度重なるKOを食らうと、負担がかかっていてもおかしくはない。その影響が、今後出てこないか、気掛かりだ。

 28日の日本ハム戦は、背中の違和感を訴えて登板間隔を空けてきた千賀が先発予定。病み上がりの右腕だが、何としても、悪しき流れを断ち切る投球を見せてほしいところだ。

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

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