両リーグで光る2人の新人遊撃手、データで見る守備力、新人王への期待

今季の両リーグの打撃ランキングには、2人の新人遊撃手が名前を連ねている。西武の源田壮亮と中日の京田陽太だ。最も守備範囲が広く、技術も肩も脚力も必要だとされる遊撃手に、同時に2人の新人選手が起用されるのは、異例だと言えるだろう。

西武の源田壮亮と中日の京田陽太【写真:(C)PLM、荒川祐史】

定評ある守備力に加え、ともに打撃ランクも上位に食い込む

 今季の両リーグの打撃ランキングには、2人の新人遊撃手が名前を連ねている。西武の源田壮亮と中日の京田陽太だ。最も守備範囲が広く、技術も肩も脚力も必要だとされる遊撃手に、同時に2人の新人選手が起用されるのは、異例だと言えるだろう。

 2人のデータを比較しよう。打撃成績は5月27日、守備成績は5月26日時点の成績を参照している。

○西武 源田壮亮
1993年2月16日生 身長179cm体重73kg 右投左打
大分商ー愛知学院大ートヨタ自動車 2016年ドラフト3位
打撃:180打数56安打0本16打点13盗塁 打率.311
守備:68刺殺170捕殺7失策29併殺 守備率.971 RF5.53

○中日 京田陽太
1994年4月20日生 身長182cm体重80kg 右投左打
青森山田高ー日本大 2016年ドラフト2位
打撃:166打数46安打1本11打点5盗塁 打率.277
守備:70刺殺133捕殺6失策26併殺 守備率.971 RF4.61

 源田が2学年上、ともに即戦力として前評判が高かった。

 源田はスピード感が抜群で、13盗塁は日本ハムの西川遥輝を抜いてリーグ1位、守備範囲を示すRFも5を超え、驚異的な守備範囲を誇る。西武では昨年後半、新人の呉念庭が台頭して鬼崎裕司と遊撃のポジションを争ったが、今季はここまで呉も鬼崎も全く出る幕がない。源田の登場はそれほどに衝撃的だったと言えるだろう。

 京田は、大学時代から堅実な守備に定評があった。打撃は4月終了時は.198と低調で、プロの投手に対応できていない印象だったが、5月は.353と急成長。本塁打も放ち、新人王候補に名乗り出た。

 リーグは違うが、ともに開幕1軍を射止めた新人遊撃手として意識しているのではないだろうか。来週からの交流戦が始まり、西武と中日は6月16日からナゴヤドーム3連戦で対決。ここで2人の新人遊撃手も顔を合わせることになる。

遊撃手を巡る環境と密接に結びつくチーム状態

 今季のNPB各チームの成績は、遊撃手を巡る状況と大きく関わっているとも言えるだろう。

 首位を死守する阪神は、今季から鳥谷敬を三塁にコンバートし、北條史也と新人の糸原健斗が遊撃のポジションを争っている。2人のポジション争いが、チームにいい刺激を与えているだろう。一方、低迷するロッテは鈴木大地を二塁にコンバートし、平沢大河を抜擢したが十分に機能せず、2軍降格になってしまった。日本ハムが開幕出遅れたのも、昨年全試合出場した中島卓也が故障したことも要因の一つだろう。今季の楽天の大躍進の中心に、2年目で打撃が急成長した遊撃手茂木栄五郎がいることを考えても、チームの成績と遊撃手は密接に関わっていると言えそうだ。

 ヤクルトは32歳の大引啓次が遊撃を守り、彼を脅かす若手が成長していない。球団を代表する遊撃手の世代交代は難しく、巨人の坂本勇人、広島の田中広輔、ソフトバンクの今宮健太のように攻守の中心となる遊撃手を育てることが、各球団の大きな課題だろう。

 そんな中、西武の源田壮亮、中日の京田陽太という2人には、揃って新人王の期待が掛かる。両チームともに、近年はポストシーズン進出を逃しているため、希望の星でもある。ちなみに、両リーグの新人王を野手が獲得すれば、1996年に巨人の仁志敏久と日本ハムの金子誠が同時受賞して以来21年ぶり7度目の快挙となる。

 2人がこのまま活躍し続け、新人王同時受賞を果たすことを期待したい。

広尾晃●文 text by Koh Hiroo

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