4月末の薄板3品在庫、適正水準維持の388万トン 前月比は8万トン増

 4月末の薄板3品の国内在庫(メーカー・問屋・コイルセンター、速報ベース)は前月末比8万2千トン増の388万3千トンだった。ミルの定期修理に伴う前倒し生産などの動きを反映して1月以来3カ月ぶりに前月の水準を超えたものの、6カ月連続で390万トンを割り込んでおり、依然適正圏内の在庫水準で推移している。

 4月末の在庫率は全体で2・23カ月(前月は1・95カ月)。品種別では、熱延2・67カ月(2・33カ月)、冷延2・16カ月(1・84カ月)、表面処理1・81カ月(1・60カ月)となった。

 在庫の内訳は、メーカーが6万6千トン増の179万2千トン、問屋が2万2千トン増の76万9千トン、コイルセンターが6千トン減の132万2千トン。品種別では、熱延が5万トン増の191万5千トン、冷延が1千トン増の73万2千トン、表面処理が3万1千トン増の123万6千トンだった。

 5月は大型連休で需要家が操業を休止するため、過去10年間の平均で同月末の在庫は前月比6万~7万トン増える一方、足元では堅調な自動車向けを中心に供給はタイトな状況にあり、引き続き薄板3品は適正な在庫水準を維持するとみられる。

 これに対し輸入材は薄板3品全体で4月に7・6%減り、通関ベースの平均価格も上昇基調で推移するなど今後の動向が注視される。

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