日鉄住金物流、フォークリフトに画像認識装置を導入 船倉内作業、人と重機の接触事故防ぐ

 日鉄住金物流(社長・酒本義嗣氏)は、鋼材輸出船の船倉内作業で人と重機が接触するのを防ぐため安全対策を強化する。船倉内で使用する全てのフォークリフトに画像認識技術で人の接近を検知する最新装置を導入する方針だ。船倉内は作業環境が狭いため人と重機の接触リスクが高い。接触事故を未然に防げるよう最新技術を導入し安全対策を徹底する。

鋼材輸出船の船倉内での作業安全性が高まる

 製鉄所の輸出向け鉄鋼製品の船積み作業では、岸壁クレーンで鉄鋼製品を船倉内に吊り入れた後、船倉内でフォークリフトを使って鋼材を指定位置に積み付ける。船倉内は作業空間が狭いため、作業者とフォークリフトの接触を防ぐ安全対策が欠かせない。同社はこれまでも安全対策を講じてきたが、従来装置は安全に退避した作業者を誤って検知するケースがあるなど装置精度に改善の余地があった。

 新たに導入するのは仏ARCURE社製の産業用歩行者検知システム「ブラクステール」。仏原子力・代替エネルギー庁の研究機関が開発した最新画像認識技術を用いており、人と物を高精度に判別できる。フォークリフト後方の作業者の接近をより正確に検知しやすくなり、安全性が高まる見込みだ。

 新日鉄住金鹿島製鉄所(茨城県鹿嶋市)で荷役を請け負う日鉄住金物流鹿島が2016年4月に1台を試験導入し性能を検証した。今後、国内の地域会社も含め、船倉内で使用するフォークリフト全てに順次導入する。

 新装置は総輸入元のエウレカ(本社・福井市)を通じて導入する。

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