中国の5月鋼材輸出、10カ月連続減の698万トン

 中国税関総署が8日に発表した貿易統計によると、5月の鋼材輸出は前年同月比25・9%減の698万トンとなり、10カ月連続の前年割れだった。

 700万トンを下回るのは2カ月連続。5月積み商談が行われていた3~4月は中国内外で鋼材市況が下がり、先行きの不透明感から顧客が様子見へ転じたため輸出向けでも中国ミルの成約は不調だったようだ。中国材に対する通商措置が各国で広がり、輸出できる市場が限られつつあることも減少の一因とみられる。

 ただ数量の絶対量は減っているものの、向け先が狭まったことで局地的な影響は生じている。特に韓国や東南アジアでは中国内で調整色が強まった鋼板類の輸出が増え、地場メーカーの販売にも打撃が及んでいる状況だ。

 5月の鋼材輸入は1・9%増の111万トンだった。

 1~5月累計では、鋼材輸出が前年同期比25・7%減の3419万トン、鋼材輸入は6・5%増の567万トンだった。

鉄鉱石輸入は9152万トン

 鉄鋼資源関連では、5月の鉄鉱石輸入が5%増の9152万トンとなり、2カ月ぶりに増加した。トン当たりの単価は73・4ドルで、前月から約10ドル下落した。

 5月のコークス輸出は65万トンだった。

 1~5月累計では、鉄鉱石輸入が前年同期比7・9%増の4億4457万トン、コークス輸出が15・0%減の340万トンだった。

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