パンでそのぎ茶PRに貢献

 熊本地震で被災後、東彼東彼杵町に移住して4月に町内でパン屋を開業した前野高宏さん(34)、麻琴さん(34)夫婦が、地元の茶農家と連携し、新商品開発に取り組んでいる。町外の人への手土産としての需要も見込み、そのぎ茶のPRに貢献したい考えだ。

 開業から1カ月たったころ、高宏さんがそのぎ茶を使ったパンのアイデアを練り始めた。近くの交流拠点「Sorriso riso」を通じ、紹介されたのが同町坂本郷の茶農家、東坂淳さん(32)。「飲み物としてだけでなく、もっと広く普及させたい」と考えていた東坂さんの協力を得て三つの品種の茶葉で試作。地元の飲食関係者を迎え試食会も開き、意見を求めた。

 最終的に強い香りが特長の品種「おくゆたか」を採用。粉末にした茶葉を生地に混ぜ、多少の苦味も残る「お茶感」(高宏さん)を感じるメロンパンを完成させた。17日から前野さん夫婦の店「ちわたや」(同町瀬戸郷)で販売予定。高宏さんは「見た目も味もお茶を楽しめる。手土産としても使ってほしい」と話している。

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