ホークス川崎が明かす捕手起用プランの舞台裏 「いけるか?」に「余裕です」

ソフトバンクの川崎宗則内野手が「捕手起用」プランの舞台裏を明かした。

ソフトバンク・川崎宗則【写真:藤浦一都】

幻に終わった捕手起用、川崎が舞台裏明かす「ワクワクしていた」

 ソフトバンクの川崎宗則内野手が「捕手起用」プランの舞台裏を明かした。

 10日の阪神戦(ヤフオクD)。この日ソフトバンクは甲斐をスタメンに起用。だが、先発の松本裕が5回4失点で降板となると、甲斐も高谷と交代に。だが、高谷が7回の守備でファウルチップを右手中指に当てて負傷。8回まで出場したが、9回は鶴岡へと交代した。

 そして、9回の攻撃。1死から松田が遊ゴロ失策で出塁すると、2死二塁で、その鶴岡に打順が回ってきた。ここで工藤公康監督は思い切って代打・ジェンセンを起用。捕手3人を全て使い果たした。仮に同点に追いつき、延長戦に突入した場合は川崎がマスクを被る予定だった。

達川ヘッドの「いけるか?」に「余裕です」

 試合後、川崎は「キャッチャーをやって、(甲斐)拓也に捕手とは何たるかを教えてやろうと思っていた。ベンチの中で達川ヘッドが『いけるか?』と聞いてきたので『余裕です』と。監督からも聞かれて『いけます。ぜひいかせて下さい。土下座してでも、ぜひやりたい』と言った」と“ムネリン節”全開で語った。

 マリナーズ時代の2012年に、マイナーのブルペンで投手のボールを受けた経験があるという川崎。「12年にブルペンに入って自信になった。それからキャッチャーの悪口は言っていません。イメージしているから。プロ野球選手なんだから」と言い、直近でマスクを被ったのは「(数年前に自身が選手兼監督を務める)ムネリンズで中学生相手にやりました」という。

 達川光男ヘッドコーチは「あっちゃいけんけど、勝つ執念、最後までファイティングポーズを取り続けるのがプロ野球」と、勝つために、鶴岡に代打、そして捕手・川崎を決めた理由を説明。結果的にジェンセンが捕飛に終わり、試合終了。衝撃のプランは実現せず、川崎は「ワクワクしていた。イメージしていたけど、イメージ通りにいかないのが野球」と少々、残念そうだった。

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

© 株式会社Creative2