関東の鉄スクラップ輸出入札、前月比790円高の2万5525円 6月契約、電炉買値上回る

 関東地区の鉄スクラップヤード業者で構成する関東鉄源協同組合(理事長・山下雄平ヤマシタ社長)は9日、6月契約の鉄スクラップ輸出入札を行い、平均2万5525円(H2、FAS)で合計2万トンを落札した。前月比では790円の上昇。3カ月ぶりに前月の落札価格を上回った。足元の電炉メーカー買値や湾岸価格に比べ高い落札価格だったことは国内市況には強材料視されそうだ。

 今回は応札15商社のうち2社が辞退、13社が合計19件を応札した。合計の応札量は12万1千トンで前月比1万トン減だった。

 入札の結果、2万6千円(5千トン)と2万5700円(5千トン)、2万5200円(1万トン)の3件を落札した。落札量の合計は2万トン。船積み期限は7月31日。

 応札のうち2万5千円以上の札は5件あり、次点の4番札は2万5100円だった。応札全体の平均価格は2万4582円。

 関東地区の鉄スクラップ市況は様子見での推移だが、中国産スクラップの輸出による心理的な影響もあって先安ムードが指摘されていた。9日時点のメーカー実勢購入価格(H2)は2万4500~5500円どころ。

 今回の落札価格は1番札で2万6千円がついたことが市況の強気材料とされた。落札結果を受けて、9日時点の湾岸価格(H2)は2万4500~5千円で、一段と高値寄りに移行する動きが見られた。

 入札後、石井正明理事(石井商事社長)は「7日の理事会では横ばいの見方が大半で、中国産のスクラップ輸出を懸念して弱気も1、2社あった。強気がいない中、今回の落札結果は良い内容だったのでは」と感想を述べた。

 同組合の船積みは10~16日までで9100トン、きょう12~14日で3900トンが予定されている。

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