楽天則本、記録ストップも球史に残る偉業 2桁K試合数はNPB全体の25%に

楽天の則本昂大投手は惜しくもMLB記録を抜く9試合連続2桁奪三振はならなかった。しかしNPBの記録としては、野茂英雄が記録した6試合連続を26年ぶりに更新する8試合連続2桁奪三振。これは偉業と言ってよい。

楽天・則本昂大【写真:荒川祐史】

8試合連続で途切れたものの球史に残る大記録を樹立した則本昂大

 楽天の則本昂大投手は惜しくもMLB記録を抜く9試合連続2桁奪三振はならなかった。しかしNPBの記録としては、野茂英雄が記録した6試合連続を26年ぶりに更新する8試合連続2桁奪三振。これは偉業と言ってよい。

 則本の投球を見ていると、2桁奪三振はそれほど難しい記録ではない気がしてくるが、実際にはエース級の投手でも滅多にできない至難の記録だ。現時点での球団別の先発投手の2桁奪三振試合はこうなっている。

〇パ・リーグ
日本ハム 0試合
ソフトバンク 7試合
楽天 11試合
ロッテ 0試合
西武 2試合
オリックス 0試合
計 20試合

〇セ・リーグ
広島 2試合
巨人 3試合
DeNA 0試合
阪神 5試合
ヤクルト 1試合
中日 1試合
計 12試合

 パ・リーグの2桁奪三振試合の4割、NPB全体でも25%は、則本が記録したものだ。どれだけ破天荒な記録かがこれでわかる。

個人での2桁奪三振試合数でも突き抜けている則本、2位以下は…

 個人での2桁奪三振試合5傑は以下。

〇パ・リーグ
1則本昂大(楽)8(11登板8勝2敗、防御率2.96)
2千賀昂大(ソ)4(9登板6勝2敗、防御率2.93)
3菊池雄星(西)2(11登板6勝2敗、防御率1.46)
3岸孝之(楽)2(9登板4勝2敗、防御率2.52)
3バンデンハーク(ソ)2(10登板6勝3敗、防御率3.10)

〇セ・リーグ
1メッセンジャー(神)3(12登板7勝2敗、防御率2.59)
2秋山拓巳(神)2(11登板6勝3敗、防御率2.91)
2マイコラス(巨)2(11登板5勝3敗、防御率2.93)
4ブキャナン(ヤ)1(11登板3勝4敗、防御率2.48)
4菅野智之(巨)1(11登板7勝2敗、防御率2.50)
4九里亜蓮(広)1(12登板5勝4敗、防御率4.04)
4薮田和樹(広)1(26登板6勝1敗、防御率2.30)
4大野雄大(中)1(9登板1勝5敗、防御率5.77)

 則本の記録はずば抜けている。楽天勢に次いでソフトバンク勢が多い。またセで2桁奪三振を記録した投手は8人しかいない。

 2桁奪三振は、一流の先発投手が絶好調で記録できるかどうかという難しい記録だ。これを8試合連続で記録するというのは、どれだけ偉大な記録かがわかるだろう。

 昨年と同じ登板数だとすると、則本はあと17回登板機会があることになる。シーズンでの2桁奪三振試合数は、1990年に近鉄の野茂英雄が記録した「21」が最多。続いて1968年の阪神・江夏豊、1991年の近鉄・野茂英雄が記録した「20」だ。則本が好調を維持できれば、この記録を破る可能性も大いにある。

 ちなみにMLB記録は1973年エンゼルスのノーラン・ライアン、1999年のダイヤモンドバックスのランディ・ジョンソンが記録した「23」だ。登板間隔、試合数が違うので単純な比較は難しいが、則本はこの記録を抜く可能性もある。今後の登板にも期待したい。

広尾晃●文 text by Koh Hiroo

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