障害者も高齢者もおしゃれ楽しみ 川崎で市民手作りファッションショー

 障害の有無や年齢などにとらわれず、気軽におしゃれを楽しむ「ユニバーサルファッション」をテーマにした市民手づくりのファッションショーが18日、川崎市多摩区の同区総合庁舎で開かれる。車いす用のウエディングドレスや片手で着られるシャツなど43点を披露予定で、メンバーらは作業の追い込みに余念がない。

 「障害のある人やシニアにもおしゃれを楽しんで外出し、本人にも家族にも元気になってほしい」 「かわさきマイスター」の服飾デザイナー、栗田佐穂子さん(71)が代表を務める服飾ボランティアグループ「糸の詩(うた)」が、同日開催の「多摩ふれあいまつり」の一環として企画し17年目になる。

 片手でも着られるよう面ファスナーや磁石で前を閉じるシャツ、寝たきりでも着替えやすいよう襟などにファスナーを付けたシャツ、車いすでも簡単に着られるウエディングドレスや浴衣、レインコートなどを制作。ファスナーは目立たないよう縫い目に合わせるなどおしゃれに工夫した。

 モデルにはユニバーサル服飾高等学院(同区)の生徒や公募の市民モデル、脳性まひの男性など10〜80代の約40人がステージに立つ。流行のシースルースカートでのファッションを制作・披露する同学院1年の飯田ななはさん(15)は「少しでも多くの人にファッションを楽しんでもらえるきっかけになれば」と話す。

 栗田さんは「『装いに無関心にさせてしまっていたことで、(80代の母親が)認知症ぎみになった』と話した方がいる。そのお母さまもきれいな服を着ると、すっかり笑顔になり、別人の表情になった。ファッションは人を元気にする」とおしゃれの“効用”を強調する。

 ファッションショーは18日午後2時10分開始。入場無料。会場では、ユニバーサルファッションの作品展示や栗田さんによる既製品の改良方法の講演なども行われる。

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