上原浩治2勝目、17球中15球直球で圧倒 米メディア驚愕「打者の目に見えない」

カブスの上原浩治投手は16日(現地時間17日)、敵地パイレーツ戦の8回に登板。内野の送球エラーで先頭打者を出塁させたが、後続の3人を断つ圧巻のピッチングを見せた。130キロ台の速球で空振りの山を築く日本人右腕について、地元メディアは「メジャーの引っ張り打者に最もフラストレーションを与える投手」「幻惑的」などと絶賛している。上原の快投が味方打線の爆発を呼び、カブスは直後の9回に一挙6得点で逆転。9-5で勝利し、上原は2勝目を挙げた。

今季2勝目をマークしたカブス・上原浩治【写真:Getty Images】

味方失策で先頭出すも逆転呼ぶ快投、「幻惑的」「打者の予想よりも速く手元に届く」

 カブスの上原浩治投手は16日(現地時間17日)、敵地パイレーツ戦の8回に登板。内野の送球エラーで先頭打者を出塁させたが、後続の3人を断つ圧巻のピッチングを見せた。130キロ台の速球で空振りの山を築く日本人右腕について、地元メディアは「メジャーの引っ張り打者に最もフラストレーションを与える投手」「幻惑的」などと絶賛している。上原の快投が味方打線の爆発を呼び、カブスは直後の9回に一挙6得点で逆転。9-5で勝利し、上原は2勝目を挙げた。

 上原は3-4と1点を追いかける場面でマウンドに上がった。先頭打者のハリソンは遊ゴロに仕留めたかに見えたが、名手ラッセルがまさかの送球エラー。いきなり無死一塁の“ハンデ”を背負うも、百戦錬磨の男は動じなかった。

 続くポランコに対しては5球とも86マイル(約138キロ)のファストボールで押し続け、最後は空振り三振。シカゴで試合を中継しているテレビ局「WGNスポーツ」の解説者を務める元投手のジム・デシャイーズ氏は、メジャーの強打者も対抗できない上原の130キロ台の速球を称賛した。

「メジャーの引っ張る打者にとって、最もフラストレーションの溜まる投手の筆頭が上原でしょう。球速を見れば時速85、86マイル(約137、138キロ)ですが、彼らは速球を空振りしてしまうのです。とても幻惑的な腕の動きです。素早い腕の振り。ボールは間違いなく打者の予想よりも速く手元に届くのです」

 切れ味抜群の速球の体感速度を高める、上原の独特な投球フォームについてこう評価した。

161キロ直球と同じ体感速度?「打者の反応はほとんど同じ」

 上原は続くフリースも4球全てファストボールで、最後は86マイルの高めの速球で空振り三振。「これは(打者に)目に見えないのでしょう。コウジがまた三振です」と、ため息交じりに語った実況は「リベロのファストボールよりも15マイル(約24キロ)は遅いのですが、打者の反応はほとんど同じに見えます。クレイジーだ」と絶賛した。

 この日パイレーツの4番手で登板した左腕のフェリペ・リベロ投手は100マイル(約161キロ)の豪速球でリゾを3球三振に打ち取った。ただ、上原の130キロ台の速球は160キロの豪速球と変わらぬ威力で打者を制圧していると強調。驚きを隠しきれない様子だった。

 最後はベルもすべて直球で、4球目の87マイル(約140キロ)でニゴロ。この日は17球中15球がファストボール。17球のうち12球がストライクだった。セットアッパーの快刀乱麻のピッチングで勢いに乗ったカブスは直後の9回に一挙6点を奪い、逆転勝利。5試合連続無失点の上原も5月4日のフィリーズ戦以来の今季2勝目を手にし、防御率は2.70となっている。

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