JFEスチールの先端翼付き回転鋼管杭、海外で初適用=トンガ向け200トン

 JFEスチールは19日、先端翼付き回転貫入鋼管杭「つばさ杭」が海外の建設工事で初適用され、納入・施工を完了したと発表した。トンガの国内輸送船用埠頭改善計画で旅客ターミナルビルの新設基礎杭として約200トンが採用された。製造は同社のベトナム鋼管杭合弁、J・スパイラルスチールパイプで行った。

 納入したのは「つばさ杭」の閉端2・5倍翼タイプ146本。現場は南太平洋の島国で、必要な資機材をタイムリーに入手することが難しかった。また、施工地盤が珊瑚石灰岩で杭の打ち止めも厳しい環境だったが、同社および同社ら9社で構成するつばさ杭技術協会が国内で培った知見・ノウハウを生かし施工を完了した。

 「つばさ杭」は2枚の半円形鋼板を用いた先端翼を特徴とした回転杭で構造物の基礎に用いられる。支持力性能と環境性能を兼ね備え、1999年の開発以来、国内の建築・橋梁基礎向けなどに累計約800件、鋼材重量15万トン超の納入実績を有する。今回、製造をベトナムで行うことでコスト競争力を発揮し受注に至った。

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