岐阜市北西部最大級の医療介護施設、(医)社団誠広会が民事再生法申請

 (医)社団誠広会(TSR企業コード:470130466、法人番号:5200005001407、岐阜市黒野176-5、設立昭和55年9月、理事長:平野恭弘氏)は6月19日、岐阜地裁に民事再生法の適用を申請し同日、保全命令を受けた。申請代理人は鈴木学弁護士(西村あさひ法律事務所、千代田区大手町1-1-2、電話03-6250-6200)。監督委員には神谷慎一弁護士(弁護士法人神谷法律事務所、岐阜市神田町2-12、電話058-266-7910)が選任された。
 負債総額は約87億円。

 昭和45年に「平野医院」として開業した。医療介護分野では岐阜市北西部最大級の規模を誇り、医療施設として「平野総合病院」(199床)および「岐阜中央病院」(372床)を運営するとともに、「介護老人保健施設岐阜リハビリテーションホーム」「岐阜中央病院訪問看護ステーション」「岐阜市在宅介護支援センター平野」「岐阜市地域包括支援センター岐北」など、老人介護保険施設の運営も手掛けていた。
 ピークとなる平成23年3月期の売上高は88億5713万円を計上したが、その後は地域に医療施設が相次いで進出したこともあって徐々に下降線をたどり、28年3月期には売上高が76億4216万円にまで低下。2億2540万円の赤字を計上し、資産総額が407万と債務超過寸前となった。
 建物の維持改装や新たな医療機器の導入などの設備投資によって借入金への依存度が高まっていたなか、29年3月期には3億2653万円の大幅債務超過へ転落し、今回の措置となった。
 なお、地域医療を守るための持続可能な医療介護福祉サービスの提供体制構築を図る意向であり、今後は医療機関の支援を主たる事業とするコンサルティング会社の経営支援や金融機関からの融資を受けることにより財政基盤を確保する計画。事業は通常通り継続しており、誠広会グループの各法人も事業を継続している。

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