神戸製鋼の非汎用圧縮機事業、フィリピンに初拠点

 神戸製鋼所は27日、フィリピンに非汎用圧縮機の事業会社、コベルコ・マシナリー・フィリピン(本社・マカティ市、略称・KMP)を開設し本格営業を開始したと発表した。機械事業部門が手掛ける非汎用の大型圧縮機でエンジニアリングやアフターサービスなどのアジア展開を強化する狙い。神戸製鋼にとりフィリピンに拠点を設けるのは鉄鋼など他部門を含め初となる。

 KMPは非汎用圧縮機のスーパーバイザー(現地での据付や試運転、アフターサービス業務を担う指導員)派遣機能と、購入品の設計や手配を行うエンジニアリング機能を担う。これまでスーパーバイザーの派遣拠点は日本、米国、中国にあったが、フィリピンが加わり世界4拠点体制となる。

 KMPでは東南アジアやオセアニア、インド、中東エリアをカバーする。国内の高砂製作所でもフィリピン人のスーパーバイザーを多く採用してきた実績があり、英語力を初めグローバルな対応力の高さからフィリピンにアジア広域を担当する拠点を設けることにした。

 神戸製鋼は非汎用圧縮機の成長戦略として4月に40メガワットの大型試運転設備を立ち上げ、非汎用の大型ターボ圧縮機市場へ参入した。比拠点の開設で新規受注やアフターサービス事業の拡大につなげる。

 KMPは資本金4300万ペソ(約1億円)で、シンガポール法人のコベルコ・マシナリー・アジアの完全子会社として2月に設立した。社長は提坂三嘉・高砂製作所回転機工場長が兼任し、従業員は21人で、うち3人が日本人駐在。

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