中学生の災害対応力高めよう 平塚市・太洋中でゲーム式講習会

 昼間に災害発生した際に救援活動の主力になり得る中学生の災害対応力を高めようと、平塚市立太洋中学校(同市高浜台)の全学年を対象にした講習会が27日、同校で開催された。市内の関係機関など約60人も参加し、防災力向上へ意識を高めた。

 2004年10月23日の夕方に発生した新潟県中越地震を受け、港地区町内福祉村が中心となって翌年からスタートさせ、今回で13回目。新たに避難所運営ゲーム(HUG)を中学3年に導入した。

 HUGでは、午前9時半にマグニチュード(M)7・9の地震が発生し、続々と避難所の中学校に逃げ込んできたと想定。家族構成や国籍、持病の有無、ペットの有無など、さまざまな状況の避難者を想定した「カード」を、体育館や校舎を使って効率よく配置した。また、仮設トイレ設置や炊き出し場所の確保といった「イベント」を、時々刻々の状況変化に応じて処理していった。

 生徒会長の宮崎真治さん(15)は「高齢者や避難者のアレルギーなど、細かな配慮をしながら情報をいかに早く処理することが必要かを感じた」と振り返った。

 市災害対策課や女性防災団体・平塚パワーズなどの協力を得て1、2年生も消火・搬送訓練や心肺蘇生法を体験。福祉村の渡邉孝会長(81)は「大人がいない昼間には地域防災の即戦力になってほしい」と若い力に期待を寄せていた。

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