本塁打競争に待望論、イチローなぜ練習で柵越え連発? 地元紙に理由明かす

マーリンズのイチロー外野手が本当に本拠地開催のオールスターで本塁打競争に出場する可能性はないのか…。周囲から待望論が出る中、本人は「興味がない」と地元紙「サンセンチネル」が報じている。

マーリンズ・イチロー【写真:Getty Images】

地元紙が実現の可能性を“検証”、練習での柵越え連発に本人は「重要なこと」

 マーリンズのイチロー外野手が本当に本拠地開催のオールスターで本塁打競争に出場する可能性はないのか…。周囲から待望論が出る中、本人は「興味がない」と地元紙「サンセンチネル」が報じている。

 今年は現地7月11日にマーリンズの本拠地マーリンズ・パークで開催されるオールスター。前日の10日には恒例の本塁打競争も行われるが、メンバー発表が近づく中で行われたMLB公式サイトの現役選手へのアンケートで、参加しててほしい選手としてイチローが4位タイの2票を集めた。票を入れたのは、ダニー・エスピノーサ(エンゼルス)、トレバー・ウィリアムズ(パイレーツ)の2人。試合と違い、イチローが打撃練習で柵越えを連発することは有名で、現役選手も認める“長打力”を誇る。

 そして、地元紙は実現性を“本気”で検証し始めた。「サンセンチネル」では、「もしイチローが(本塁打競争に)出場したら勝つ可能性がある、と歴代最多本塁打のバリー・ボンズは述べていた。打撃練習中、イチローはスタンドにボールを送るパワーを日常的に見せていた」と紹介。メジャー歴代最多762本塁打を誇り、昨年はマーリンズで打撃コーチを務めたバリー・ボンズ氏が、メジャー最年長選手の“長打力”に太鼓判を押していたことに改めて言及している。

 ただ、やはり出場することはなさそうだ。同紙は「金曜日、イチローは参加に興味はないと語った」と指摘。その上で、2008年には本塁打競争に出場しかけたという事実をイチローが明かしたと伝えている。

08年は「参加する予定だった」、今年は同僚が「出場しなければ…」

「参加する予定だったんです。でも、オールスター直前に怪我をしました。だから出場できなかったんです。聞かれたことはあるんですが、出場するべきだとは思いませんでした」

 記事の中で、イチローはこのように回顧。そして、日頃の打撃練習で柵越えを連発する“意図”については「ただホームランを打つためにやっているわけではありません。スイングの状態を確かめたいんです。このようにして、状態や感覚を確かめているんです。だから、僕のルーティンや準備において、重要なことなんです」と説明している。入念なストレッチをはじめ、常に万全の準備を整えて試合に臨むイチロー。打撃練習での豪快な打撃も、その一部だという。

 イチローの本塁打競争出場については、現役時代にヤンキースでスーパースターだったドン・マッティングリー監督も「昨年は大量に打っていたよ。面白くなるだろうね。彼のスイングならたくさん打てると思う」と前向きに話したという。それでも、本人はあくまで遠慮がち。取材に対して、「ボーア、オズナ、そしてスタントンが出場しなければ、僕にもチャンスがあるでしょう。でも、彼らはアメイジングですからね」と、若きチームメートの活躍を願っていることを明かした。

 実現する可能性は低そうだが…やはりイチローの本塁打競争参戦を見てみたいというのが、ファン、そして同じメジャーリーガーの願いとなっているようだ。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2